今週末に見たい展覧会ベスト8。「DESIGN MUSEUM JAPAN展」から「君たちはどう生きるか」展まで

今週末までに開幕・閉幕する展覧会から、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」展示風景より、左から辰野登恵子《UNTITLED 95-9》(1995)、セルジュ・ポリアコフ《抽象のコンポジション》(1968)、マーク・ロスコ《ボトル・グリーンと深い赤》(1958)

「DESIGN MUSEUM JAPAN展 2024~集めてつなごう 日本のデザイン~」(国立新美術館)

「DESIGN MUSEUM JAPAN展 2024~集めてつなごう 日本のデザイン~」(国立新美術館)より

 国立新美術館の「DESIGN MUSEUM JAPAN展 2024 ~集めてつなごう 日本のデザイン~」が26日で閉幕する。

 本展は、日本各地に存在する優れた「デザインの宝」を発掘し、ネットワークを試みるもの。2022年から継続して実施されており、今年の参加クリエイターと選定地域は、竹谷隆之(造形作家、北海道)、小池一子(クリエイティブディレクター、秋田)、名久井直子(ブックデザイナー、山形)、片岡真実(キュレーター/森美術館館長、愛知)、永山祐子(建築家、滋賀)、永積崇(音楽家、愛媛)となっている。詳細なレポートはこちらから。

会期:2024年5月16日~26日
会場:国立新美術館 展示室3B
住所:東京都港区六本木7-22-2
開館時間:10:00~18:00(金~20:00)※入場は閉館の30分前まで
休館日:5月21日
料金:無料

日本初の写真展。ノーマン・リーダス「IN TRANSIT」(SAI)

headed home 2023 406.4 × 508 mm archival pigment print, framed

 渋谷のSAIで開催中の、ノーマン・リーダスによる日本初の写真展「IN TRANSIT」が26日で閉幕する。

 リーダスはハリウッド俳優、プロデューサーとして活躍しながら、写真家としても作品を発表。自身の出身国であるニューヨークやロサンゼルスのみならず、これまでバルセロナ、コペンハーゲン、パリといった世界の様々な都市で写真展を開催してきた。本展は、自身の作品のなかから抜粋した53作品で構成。年代は2022年、23年に撮影された新しいものが多いが、なかには1994年から2000年代初期に撮影された作品も含まれる。

会期:2024年5月17日~5月26日
会場:SAI
住所:東京都渋谷区神宮前 6-20-10 MIYASHITA PARK SOUTH 3F
開館時間:11:00~20:00
休館日:会期中無休
料金:無料

3つの美術館から作品集結。「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」(東京国立近代美術館)

「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」(東京国立近代美術館)展示風景より、左からアンリ・マティス《椅子にもられるオダリスク》(1928)、萬鉄五郎《裸体美人》(1912)、アメデオ・モディリアーニ《髪をほどいた横たわる裸婦》

 東京国立近代美術館で「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」が開幕した。レポートはこちら

 セーヌ川のほとりに建つパリ市立近代美術館、皇居にほど近い東京国立近代美術館、大阪市の中心部に位置する大阪中之島美術館は、いずれも大都市の美術館としてモダンアートのコレクションを築いてきた。本展はこの3館のコレクションから共通点のある作品を選び、トリオとして構成し、展示するもの。会場には110名の作家による34のトリオが組まれており、前期後期合わせて156点の作品を見ることができる。なお、本展は9月14日〜12月8日の会期で大阪中之島美術館に巡回する。

会期:2024年5月21日〜8月25日 ※会期中、一部作品は展示替えあり
会場:東京国立近代美術館
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
開館時間:10:00〜17:00(金土〜20:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし、7月15日、8月12日は開館、翌火曜日休館)
料金:一般 2200円 / 大学生 1200円 / 高校生 700円

老舗の新展開。「『工+藝』 KO+GEI 2024」(東京美術倶楽部)

「『工+藝』 KO+GEI 2024」(東京美術倶楽部)展示風景より、野口寛斉《JYOMON Yakishime》(2024)

 1907年創立の東京美術倶楽部が、新たな試みとして現代工芸作家48名の展覧会「『工+藝』 KO+GEI 2024」をスタートさせた。レポートはこちら

 本展は、現代の工芸界を牽引する招待作家11名と、世界的に注目される新進気鋭の推薦作家37名の計48名の未発表作品を一堂に展示・販売するというもの。推薦作家から4名が「特別賞」(秋元雄史賞、菊池寛実記念 智美術館 賞、中田英寿賞、山下裕二賞)に選ばれるほか、東京美術商協同組合員、480店舗の店主及び、青年会会員90名が会場での作品を実際に見て投票し、決定・表彰する「東京美術倶楽部大賞」も選ばれる予定だ。

会期:2024年5月23日〜26日
会場:東京美術倶楽部 3階ホール
住所: 東京都港区新橋6-19-15
開館時間:10:00〜17:00
休館日:会期中無休
料金:無料

高層ビルでコンポスト。GROUP「島をつくる | Planning Another Island」(マイナビアートスクエア)

GROUP「島をつくる | Planning Another Island」(マイナビアートスクエア)展示風景より

 建築コレクティヴ・GROUPによる展覧会「島をつくる | Planning Another Island」が東京・銀座のマイナビアートスクエアで開幕した。

 GROUPは建築プロジェクトを通して、異なる専門性をもつメンバーが仮設的かつ継続的に活動を行う建築コレクティヴ。建築設計・リサーチ・施工などで幅広く活動している。本展は、東京・成増にある住宅を解体し、その廃材を土へと還す「コンポスト」をテーマにしたものだ。メンバーが廃材を解体するという行為そのものが展示の構成物となっている。詳細レポートはこちら

会期:2024年5月23日~7月6日
会場:マイナビアートスクエア
住所:東京都中央区銀座4-12-15 歌舞伎座タワー 22F
開館時間:11:00~18:00
休館日:日月祝 
料金:無料

八木幣二郎「NOHIN:The Innovative Printing Company 新しい印刷技術で超色域社会を支えるノーヒンです」(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)

 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)で、1999年生まれのアートディレクター・八木幣二郎による個展「NOHIN:The Innovative Printing Company 新しい印刷技術で超色域社会を支えるノーヒンです」が始まった。

 2会場で構成する本展の1階では、SF的な設定にもとづく架空の印刷会社「NOHIN社」のCI(コーポレート・アイデンティティ)を、"並行世界"の価値観とルールにもとづいて、様々なアイテムや資料に展開。地階では、八木が尊敬してやまない、日本のグラフィックデザイン史を彩る巨星デザイナー10名の傑作ポスター約20点とともに、3DCGが存在する"並行世界"のオルタナティブな可能性として、それぞれのポスターを再解釈した八木幣二郎による新作を発表する。

会期:2024年5月24日~7月10日
会場:ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)
住所:東京都中央区銀座 7-7-2 DNP銀座ビル 1F
開館時間:11:00~19:00
休館日:日祝
料金:無料

200点を展示。「君たちはどう生きるか」展 第二部 レイアウト編(三鷹の森ジブリ美術館)

 三鷹の森ジブリ美術館で、企画展示「君たちはどう生きるか」展 第二部レイアウト編が25日から始まる。

 レイアウトとは、そのカットの背景やキャラクターの位置関係、動きの指示、カメラワークなどが書き込まれた、アニメーションの設計図だ。宮﨑駿監督作品『君たちはどう生きるか』では、原画担当のアニメーターによって描かれ、宮﨑監督と作画監督によって確認・修正が行われた。本展は、制作過程において描かれた絵をそのまま展示し、紙と鉛筆による手描きの表現の豊かさと、カットに込められた力と思いを感じる展示を目指す。3期にわたり、展示物を半年ごとにすべて入れ替えて公開する予定だ。本展では、アニメーションの設計図であるレイアウトを200点あまり展示する。

会期:2024年5月25日~11月10日
会場:三鷹の森ジブリ美術館
住所:東京都三鷹市下連雀 1-1-83
開館時間:日時指定予約制
休館日:火
料金:大人・大学生 1000円 / 高校・中学生 700円 / 小学生 400円 / 幼児(4歳以上)100円 / 4歳未満 無料(チケット予約不要)

初の美術館個展。「没後30年 木下佳通代」(大阪中之島美術館)

 神戸に生まれ、関西を拠点に活動した作家、木下佳通代(1939〜1994)の美術館初個展が、大阪中之島美術館で25日に開幕する。

 木下のキャリアは60年代、前衛美術の集団「グループ〈位〉」の活動に携わったことからスタート。70年代には、写真を用いながら、イメージと知覚、物質の関係を考察する作品を数多く手がけ、80年代には抽象絵画に移行した。本展は、過去最大規模の木下の個展。ごく初期の作品から、代表作、そして絶筆にいたるまで木下の活動が一堂に紹介される貴重な機会だ。

会期:2024年5月25日〜8月18日
会場:大阪中之島美術館
住所: 大阪府大阪市北区中之島4-3-1
開館時間:10:00〜17:00 ※入場は16:30まで
休館日:月(7月15日、8月12日は開館)
料金:一般 1600円 / 高校・大学生 1000円 / 中学生以下無料

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