東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールが今年20周年を迎えるにあたり、新たなプログラムを展開。シャネルのグローバル アドバイザリーでユーレンス現代美術センター(UCCA)のディレクター、フィリップ・ティナリをキュレーターに迎え、これまでにない展覧会を開催する。
その第1弾は、「KYOTOGRAPHIE 2024」(4月13日〜5月12日)におけるBirdheadの展示「Welcome to Birdhead World Again, Kyoto 2024」であり、第2弾が今回紹介する「Borrowed Landscapes フェイイ ウェン|パン カー 二人展」だ。
フェイイ・ウェンとパン・カーは、ともに驚異的な経済成長を見せていた1990年代の中国で生まれ育ち、その後海外で学び、アーティストとしての活動を行っている。
ウェンはロンドン在住で、2020年にスレード美術学校で博士号を取得。大英図書館でデジタイザーとして書籍をデジタル化する仕事を行いながら、自然や風景を主題に自身の撮影したイメージと、ときにはファウンドフォトのイメージを混ぜ合わせ、章立てされたシリーズ作品に展開している。
カーは2015年にロードアイランド・スクール・オブ・デザインを卒業後、カリフォルニアで数年を過ごし、現在は中国と北米を行き来しながら活動。アジアの近代化の過程、とくに人口の多い都市において、集団から生み出された文化・歴史に長年関心を寄せてきた。
どちらも写真に根ざした活動を展開しており、レンズを通した表現をベースにしながらも、様々なメディアや技法を探求し、表現の幅を広げている注目の作家だ。本展では、両作家はそれぞれの転換となる重要な新作を発表。2人のアーティストとその実践をつなぐ対話を交えながら展示する。
ウェンは最新シリーズ「Seeingapinetreefromyourbedroomwindow」からゼラチンシルバープリントとライスペーパーにジークレー印刷をした16点を発表予定。またカーは、2022年に発表した、中国の出稼ぎ労働者の居住空間や、彼らの多くが住む「アーバン・ビレッジ(城中村)」(都市のなかに取り残された、労働者の密集居住エリア)を題材にした壁面のアッサンブラージュ《BayWindows(出窓)》の続編となる7点の新作を発表する。