本阿弥光悦とは何者だったのか? 特別展「本阿弥光悦の大宇宙」(東京国立博物館)
本阿弥光悦の深淵な才能を読み解く特別展「本阿弥光悦の大宇宙」が、東京・上野の東京国立博物館で開催されている。会期は3月10日まで。
本展では、光悦による書や作陶に表れたその内面世界を紹介するとともに、 光悦と工匠たちが篤く信仰した当代の法華衆の社会についても注目。 造形の世界の最新研究と信仰の在り様とを照らしあわせることで、総合的に光悦を見通すことを試みるものだ。レポートはこちら。
会期:2024年1月16日~3月10日 ※会期中展示替えあり
会場:東京国立博物館 平成館
住所:東京都台東区上野公園13-9
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:9:30~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、2月13日 ※ただし2月12日は開館
料金:一般 2100円 / 大学生 1300円 / 高校生 900円
絵画と写真でガラスを再考する。「ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家」(東京オペラシティ アートギャラリー)
東京・初台の東京オペラシティ アートギャラリーで「ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家」が開幕した。会期は3月24日まで。
本展はガラス作家・山野アンダーソン陽子の作品を収録したアートブックを制作するプロジェクトの一環として開催されている。まず、山野が声をかけた18人の画家が、それぞれの画家が自身が描きたいと思うガラス作品を言葉で表現。その言葉に応答するかたちで山野がガラス作品を制作し、そのガラス作品を画家が描くというものだ。さらに、できあがった絵画と山野のガラス作品を写真家・三部正博が撮影、さらにデザイナー・須山悠里のデザインによりアートブックがつくられている。本展では、この制作プロジェクトのなかで生まれたガラス作品、絵画作品、そして山野の言葉などによって構成されるものだ。レポートはこちら。
会期:2024年1月17日〜3月24日
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3-20-20
電話番号:050-5541-8600
開館時間:11:00〜19:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(祝日の場合は翌火)、2月11日
料金:一般 1400円 / 大学・高校生 800円 / 中学生以下無料
漆芸品の楽しみや喜びを再考する。企画展「うるしとともに― くらしのなかの漆芸美」(泉屋博古館東京)
東京・六本木の泉屋博古館東京で企画展「うるしとともに― くらしのなかの漆芸美」が開催される。会期は1月20日〜2月25日。
「漆」は、アジアの人々が可能性を見出してきた樹液であり、あるときは天然の接着剤、またあるときには表面に艶と光沢を与える塗料として活用されてきた。また、その特性を活かして、各地域の環境や美意識に応じた様々な漆芸技法が生まれてきた。
本展では、住友コレクションの漆芸品の数々を、用いられてきたシーンごとに紐解き、漆芸品を見る楽しみや使う喜びについて再考するものとなる。同時開催として、近年同館に寄贈された瀬川竹生コレクションの染付大皿も受贈後初めて公開される。
会期:2024年1月20日〜2月25日
会場:泉屋博古館東京
住所:東京都港区六本木1丁目5番地1号
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:11:00~18:00(金〜19:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、2月13日 ※ただし2月12日は開館
料金:一般 1000円 / 高大生 800円 / 中学生以下無料
今年のテーマは「LAST SNOW」。札幌国際芸術祭2024(札幌市周辺)
2014年より3年に1度開催されてきた「札幌国際芸術祭(SIAF)」。今年は「LAST SNOW」をテーマに、未来劇場(東1丁目劇場施設)や、さっぽろ雪まつり大通2丁目会場、札幌文化芸術交流センター SCARTS、北海道立近代美術館、札幌芸術の森美術館、モエレ沼公園の6つの会場で作品が展開される。ディレクターは小川秀明。
同芸術祭の副題は「はじまりの雪」。札幌に当たり前のように存在している「雪」を通じて、未来の地球、社会、コミュニティー、生活のための変革と創造に着目し、そこに向けた人類の創造と行動を呼びかけることが目的となっている。また、アイヌの言葉でも「ウパㇱテ」の副題をつけており、「雪とともに未来に向けて走り出してみる」「雪を通して互いに気づきあってみる」というコンセプトにイメージが重ねられているという。
会期:2024年1月20日〜2月25日 ※札幌芸術の森美術館は2023年12月16日〜2024年3月3日、さっぽろ雪まつり大通2丁目会場は2024年2月4日〜11日
会場:未来劇場(東1丁目劇場施設)、北海道立近代美術館、札幌芸術の森美術館、札幌文化芸術交流センター SCARTS、モエレ沼公園、さっぽろ雪まつり大通2丁目会場
サテライト会場:札幌市資料館(旧札幌控訴院)
パスポート料金(前売):一般 2700(2500)円 / 市民・道民 2000(1800)円 / 高校生以上 1200(1000)円 / 中学生以下無料 ※前売り期間は1月19日まで
個別鑑賞券料金:一般、市民・道民 1500円 / 高校生以上 800円
葛飾北斎によるさまざまな「勝負」が集結。企画展「いざ、勝負!」(信州小布施 北斎館)
長野・小布施の信州小布施 北斎館で、北斎の「勝負」を題材とした浮世絵を紹介する企画展「いざ、勝負!」が開催される。会期は1月20日〜3月31日。
葛飾北斎が手がけた版画作品には様々な題材の作品があるが、そのなかでも「勝負」はとくに人気の高いテーマと言える。それは、英雄の歴史的な一戦や、妖怪と人間の対決、動物たちの知恵合戦、大自然と対峙する人々などだ。本展では版本作品を中心に、北斎が描いた数々の「勝負」が展示される。
会期:2024年1月20日~3月31日
会場:北斎館
住所:長野県上高井郡小布施町大字小布施485
電話番号:026-247-5206
開館時間:9:00~17:00
休館日:会期中無休
料金:大人 1000円 / 高校生 500円 / 小中学生 300円
建築家・坂茂の紙管パーテーションが伝えるウクライナ難民の現状。「『ペーパー・サンクチュアリ』- ウクライナ難民の現実と詩 - 坂 茂」(大分県立美術館)
災害時など、避難所で生活する人々のプライバシーを守るために建築家・坂茂(ばん・しげる)が考案した、紙管でできたフレームに布を掛けて完成するシンプルなパーテーション「紙の間仕切りシステム(PPS)」。これをキャンバスに、ウクライナ難民の現状を伝える「『ペーパー・サンクチュアリ』- ウクライナ難民の現実と詩 - 坂 茂」が大分県立美術館1階のアトリウムで2月4日まで開催中だ。
本展は、2023年にイギリス・ロンドンのサマセット・ハウスで開催された展示の日本巡回となるもの(キュレーターはクレア・ファロー・スタジオ)。ウクライナ出身の詩人スヴェトラーナ・ラヴォーチキナ、ベルリンを拠点に活動する写真家ヴィンセント・ヘイグスらの作品を、戦争難民として自身もベルリンに身を寄せる作曲家ヴァレンチン シルヴェストロフの音楽とともに展示するものとなる。レポートはこちら。
会期:2024年1月13日〜2月4日
会場:大分県立美術館 1F アトリウム
住所:大分県大分市寿町2-1
開館時間:10:00〜19:00(金土〜20:00)
休館日:無休 ※臨時休館を除く
料金:無料
10メートルを超えるストランドビーストが登場。「テオ・ヤンセン展」(千葉県立美術館)
千葉県立美術館で開催中の 「テオ・ヤンセン展」が1月21日で閉幕する。
芸術家、発明家、科学者の顔を持ち、「現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ」と称されるテオ・ヤンセン。代表作 「ストランドビースト(strand beest)」は、プラスチックチューブや粘着テープなど身近な材料でつくられており、風力を用いて歩行するものだ。
本展では、10メートルを超えるものを含む10体以上のストランドビーストが展示されるほか、同作を歩行させるイベントも毎日実施されている。
会期:2023年10月27日〜2024年1月21日
会場:千葉県立美術館
住所:千葉県千葉市中央区中央港 1-10-1
電話番号:043-242-8311
開館時間:9:00〜16:30 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月
料金:無料
ゴッホによる油彩画25点を展示。「ゴッホと静物画―伝統から革新へ」(SOMPO美術館)
フィンセント・ファン・ゴッホの画業や西洋絵画の歴史を静物画から探る展覧会「ゴッホと静物画―伝統から革新へ」展が、東京・新宿のSOMPO美術館で1月21日まで開催している。
会場は「伝統/17世紀オランダから19世紀」「花の静物画/『ひまわり』をめぐって」「革新/19世紀から20世紀」の3章で構成。17世紀オランダから20世紀初頭まで、ヨーロッパの静物画の流れのなかにゴッホを位置づけ、ゴッホが先人たちから何を学び、それをいかに自らの作品に反映させたのか、さらに次世代の画家たちにどのような影響を与えたのかを探る展覧会だ。レポートはこちら。
会期:2023年10月17日~2024年1月21日
会場:SOMPO美術館
住所:東京都新宿区西新宿1-26-1
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00 ※最終入館は閉館30分前まで
休館日:月
料金:一般 2000円(1800円) / 大学生 1300円(1100円) / 高校生以下無料※日時指定予約制、()内は日時指定料金。高校生、無料入場対象者も日時指定予約推奨
ホンマタカシがカメラ・オブスクラで拡張する写真のあり方。「即興 ホンマタカシ」(東京都写真美術館)
ホンマタカシの約10年ぶりの美術館個展「即興 ホンマタカシ」が東京・恵比寿の東京都写真美術館で1月21日まで開催中となっている。
今回の個展は、ホンマが近年力を入れてきた「カメラ・オブスクラ」の原理を用いた作品を中心に構成されている。カメラ・オブスクラとは、暗室をつくりそこに小さな穴を空けることで、明るい外の像が暗室の内部に上下逆さまとなって投影される仕組みを利用する装置だ。ホンマは近年、都市空間にある建築物内の部屋をこのカメラ・オブスクラとすることで、外部の風景を定着させた作品を制作してきた。本展はこの一連の試みをたどるものとなっている。レポートはこちら。
会期:2023年10月6日〜2024年1月21日
会場:東京都写真美術館
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
電話番号:03-3280-0099
開館時間:10:00〜18:00(木金〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館)
料金:一般 700円 / 学生 560円 / 中高生・65歳以上 350円
世界の連続性を体感する。「チームラボ 無限の連続の中の存在」(姫路市立美術館)
兵庫県の姫路市立美術館で開催中の「チームラボ 無限の連続の中の存在」が1月21日に閉幕する。
本展は、自分が立つ現実空間と、彼らが展開する作品空間がつながる 「ボーダレス」な空間(超主観空間)に 「没入する」体験を鑑賞者にもたらすものだ。この体験を通じて、世界が連続性のうえに成り立っていることを身体的に認識させるという。
会期:2023年7月22日〜2024年1月21日
会場:姫路市立美術館
住所:兵庫県姫路市本町68-25
電話番号:079-222-2288
開館時間:10:00〜17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月
料金:一般 1500円 / 大学・高校生 1100円 / 中学・小学生 700円
Nerhol「REVERBERATION」(The Mass)
東京・神宮前のThe Massで開催中のNerhol(ネルホル)による新作展「REVERBERATION」が1月21日までの開催となっている。
Nerholは飯田竜太と田中義久からなるアーティストデュオ。おもに彫刻を行う飯田と、支持体となる紙や平面的構成に向きあう田中の行為の融合によって作品を制作している。Nerholは特定のモチーフの連続写真を何枚も物理的に積み重ね、それを彫刻。できあがったひとつの作品に重層的な時間と瞬間を表現している。
本展にてNerholがテーマとする「帰化植物」とは、本来の自生地から人間活動を含む様々な要因によってほかの地域へ運ばれ、やがてその土地で野生化した植物のことを指す。そこにはその植物やその植物を運んだ何か、またはその因果をつくった人間の活動の歴史が存在していることだろう。近年Nerholが制作を続けてきたこのシリーズは、普段何気なく目にするものを再び意識させ、そこに向き合う時間を与えてくれる作品群となっている。
会期:2023年11月18日〜12月26日 / 2024年1月6日〜21日
会場:The Mass
住所:東京都渋谷区神宮前5-11-1
電話番号:03-3406-0188
開館時間:12:00〜19:00
休館日:月火
料金:無料