北アルプス山脈の麓に広がる豊かな文化を発信。「北アルプス国際芸術祭2024」が開催へ

長野県北西部の大町市で、2017年に初開催された「北アルプス国際芸術祭」の第3回目が開催される。会期は2024年9月13日~11月4日。

メインビジュアル デザイン=皆川明

 長野県北西部の大町市は、3000メートル級の山々が連なる北アルプス山脈の麓に位置し、豊かな自然に恵まれた土地。ここを舞台に、2017年に初開催された「北アルプス国際芸術祭」の第3回目が開催される。会期は2024年9月13日~11月4日。

撮影=平林岳志

  開催場所は、市街地エリア、ダムエリア、源流エリア、仁科三湖エリア、東山エリアといった、大町市の特色が色濃く現れる5つのエリアだ。北アルプス山麓の地域資源をアートの力で世界に発信することで、地域再生のきっかけとなることを目指す同芸術祭。2024年のテーマには信濃大町の魅力とも言える「水・木・土・空」を掲げ、約50日間にわたって様々なプロジェクトが展開される予定となっている。

 アーティストには、場所の歴史や物語などを起点に、小さなスケールから大きな空間まで、多様なインスタレーション作品を制作するソ・ミンジョン(韓国)や、かぎ針編みによるカラフルな生き物の世界をつくり出すムルヤナ(インドネシア)、遺跡や風化した建造物を思わせる中空の彫刻を通して、強さと弱さ・過去と現在のような、異なるもののあいだにせまるルデル・モー(南アフリカ)、哲学や舞台美術を学んだ経験と、叙情的かつコンセプチュアルな方法によって、人々の記憶をたどる作品を展開するエカテリーナ・ムロムツェワ(ロシア / アメリカ)のほか、国内外から約30〜40組が参加予定となっている。

ルデル•モー 個展「When」 2019
エカテリーナ•ムロムツェワ 全てもって、ゆく 2021 撮影=本郷毅史

 ほかにも、目[mé]の《信濃大町実景舎》(2017)や、ジミー・リャオ(幾米)《私は大町で一冊の本に出逢った》(2017 / 2021)、淺井裕介《土の泉》(2017 / 2021)、松本秋則《アキノリウム in OMACHI》(2021)といった、第1回〜2回で制作された既存作品も見ることができる。

ジミー・リャオ(幾米) 私は大町で一冊の本に出逢った 2017 / 2021 撮影=下川晋平
松本秋則 アキノリウム in OMACHI  2021 撮影=下川晋平

 会期中は、地元のガイドとともに、信濃大町の歴史・文化・自然、アート作品を巡るツアーが実施されるほか、郷土食を味わうことができる公式レストランも開設される予定となっている。こちらにも参加することでより深く信濃大町を知ることができるだろう。

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