世界でもっとも知られている宮殿のひとつであるフランスのヴェルサイユ宮殿。1682年に当時の国王ルイ14世によって建設され、ルイ16世の時代にフランス革命が勃発するまで、国王の居城とされ、優雅な宮廷文化の舞台となったこの場所をとらえた写真作品が、東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールで展覧される。会期は9月27日〜11月5日。
本展「In Praise of Shadows -ヴェルサイユ宮殿 森田恭通写真展」は、GLAMOROUS co.,ltd.代表でインテリアに限らず、グラフィックやプロダクトといった幅広い創作活動を行っている森田恭通による個展だ。
森田は数年にわたりヴェルサイユ宮殿を度々訪れ、四季によって異なるニュアンスをもたらす陽光にこだわりながら、黄金と光の煌めきに満ちたバロック建築の傑作をモノクロ写真に収めてきた。ヴェルサイユ宮殿は、国王が変わるたびにその権力を誇示するように塗り替えられたディテールが絡み合い、層となっている。森田は時代を経るごとにミニマムになっていくデザインを追い続け、噴水の地下に眠る貯水槽やマリーアントワネットが愛した荘厳なオペラ劇場の下に隠された木造構造など、通常は入ることができない舞台裏にも足を踏み入れ、その栄華の痕跡をほぼ自然光で撮影したという。
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会場では、森田独自の審美眼でとらえたヴェルサイユ宮殿の多彩な表情が、光と影、表と裏、地上と地下といった様々な対比を交えながら、約100点のイメージを通して紹介される。
谷崎潤一郎の同名の随筆にちなんで「In Praise of Shadows(陰翳礼讃)」と題された本展について森田は、「どの時代にも変わらない人間の“光と陰”を写すために、ヴェルサイユ宮殿ほどふさわしい空間は存在しない」とのコメントを寄せている。
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