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2025年マイアミ・アート・ウィークレポート(後編):都市が育てるアートのエコシステム

ザ・マーガリーズ・コレクションやルベル美術館、エル・エスパシオ23など、マイアミのアートシーンを語るうえで欠かせない存在。後編では、プライベートコレクションと美術館を巡りながら、周縁的な動きにも注目し、主要フェアの外側で展開された多彩なアートの実践を振り返る。

文・撮影=半田颯哉

U-Haul・アート・フェア

プライベートコレクション

 マイアミのアートシーンを特徴づけているもののひとつはプライベートコレクションの層の厚さだ。

ザ・マーガリーズ・コレクション

 ザ・マーガリーズ・コレクションはポップ・アート、ルイス・ハインの写真、イタリア美術などのセクションを設けて作品を展示。不動産デベロッパーのマーティン・Z・マーガリーズがキュレーターのキャサリン・ハインズと40年以上協働して築いてきたというコレクションは、異なる時代・ジャンルの作品であるにもかかわらず、どこか共通している雰囲気があり、コレクターの色を感じさせるコレクションとなっている。

ザ・マーガリーズ・コレクションの展示風景
ザ・マーガリーズ・コレクションの展示風景

 常設のアンゼルム・キーファーのインスタレーション《Geheimnis der Farne(シダの秘密)》は圧巻で、四方をキーファーの作品に囲まれる体験ができた。

アンゼルム・キーファー《Geheimnis der Farne(シダの秘密)》の展示風景