現代日本画壇を牽引する作家のひとり西田俊英(1953〜)。その展覧会「西田俊英ー不死鳥」が武蔵野美術大学 美術館・図書館で開催される。会期は10月23日〜11月19日。
西田は三重県伊勢市生まれ。1973年に武蔵野美術大学造形学部日本画学科に入学し、奥村土牛、塩出英雄に師事。在学中の75年再興第60回院展で初入選後、93年文化庁在外研修員として1年間インド留学した。現在は日本芸術院会員、日本美術院同人・理事、武蔵野美術大学造形学部日本画学科教授、広島市立大学名誉教授を務めている。
その作風は幻想的であり、描かれる題材は、湿潤な日本の風土やヨーロッパの街並みをとらえた風景画から、ボルゾイ犬をモチーフとした現代的な花鳥画、インド留学が転換期となり描きはじめた人物画までと様々だ。
現在取り組んでいるのは、完成すれば縦2.05メートル、全長70メートルにも達する巨大日本画《不死鳥》。本作は、2022年から1年間屋久島に移住した西田によって、人間と自然の森との共生や、生命の循環の物語を紡ぐために写生が続けられたものだ。
本展ではこの大作を核とし、西田の原点となる少年時代の作品から、インド留学を経て得た森羅万象を神とする日本人の心で描いてきた作品群まで、全27点を通し50年におよぶ画業の軌跡をたどるものとなる。
なお、会期中にはトークイベントも実施されるためこちらもあわせて足を運んでほしい。