長野県松本市に点在するノスタルジックな建築物。これらを会場に作品を展示することで、建築と美術の対比・融合・共鳴を提示するというユニークな芸術祭「マツモト建築芸術祭」が、第2回の開催を迎える。
同芸術祭は、「名建築にアートが住み着くマツモトの冬。」をコンセプトに、2022年にスタートした新たな芸術祭だ。旧開智学校や割烹松本館、NTT東日本松本大名町ビルなどが会場となり、小畑多丘、鬼頭健吾、五月女哲平など17組の作家が参加。1月29日から2月20日までの23日間で、来場者数は6万5000人以上を記録した。また会場のひとつで数十年空き家だった「旧宮島肉店」は、この開催によって洋菓子店への再生が決まるなど、芸術祭をきっかけに古い建築物の活用と保存への意識が高まったという。
同芸術祭の実行委員会は松本市内の観光業に携わる有志によって構成されており、民間主導となっている。総合ディレクターは前回同様、様々な展覧会の展示空間デザインを手がける有限会社ナノナノグラフィックス代表・おおうちおさむが担当。23年の参加作家は1会場1アーティスト形式で約20名を予定しており、ラインナップは今後発表される。
なお開催に伴い、アーティストの作品制作や運営資金に充てるため、クラウドファンディングを12月26日まで実施。300万円を目標に定めており、17コースのリターンが用意されている。