衣装の代表作からN°5香水瓶、アクセサリーまでが集結。三菱一号館美術館でのシャネル展の詳細が発表

「20世紀でもっとも影響力の大きい女性デザイナー」と称されるガブリエル・シャネル(1883~1971)。今年6月より三菱一号館美術館で開催される、その日本では32年ぶりとなる回顧展「ガブリエル・シャネル展 Manifeste de mode」の詳細が明らかにされた。

ガブリエル・シャネル テーラードのジャケット、スカート、ブラウスとベルト 1965春夏ウールツイードと絹シェニール、手彩色のガラリット、絹ガーゼ パリ、ガリエラ宮 © Julien T. Hamon

 今年6月より三菱一号館美術館での開催が予定されている、日本では32年ぶりのシャネル回顧展「ガブリエル・シャネル展 Manifeste de mode」。その詳細が発表された。

 「20世紀でもっとも影響力の大きい女性デザイナー」と称され、シンプルかつ洗練された服は着る人に実用性と快適さを与えながら、1920年代の活動的な新しい女性像の流行を先導したガブリエル・シャネル(1883~1971)。本展では、シャネルのスーツやリトル・ブラック・ドレスをはじめ、コスチューム・ジュエリー、シャネルN°5の香水瓶、そして当時の記録映像などを通してシャネルの作品の魅力に迫る。

ガブリエル・シャネル ドレス 1966春夏
絹モスリン、グログラン パリ、パトリモアンヌ・シャネル © Julien T. Hamon
ガブリエル・シャネル 香水「シャネル N°5」 1921
ガラス、木綿糸、封蝋、紙 パリ、パトリモアンヌ・シャネル © Julien T. Hamon

 本展は、2021年にフランスのガリエラ宮パリ市立モード美術館で開催された「Gabrielle Chanel. Manifeste de mode 」展を日本向けに再構成した国際巡回展となる。同館館長のミレン・アルサリュスおよびコレクション部長のヴェロニク・べロワールが監修を務める。

ガブリエル・シャネル ドレスとジャケットのアンサンブル 1922-28
絹ジャージー パリ、パトリモアンヌ・シャネル © Julien T. Hamon

 展覧会は、プロローグと、「スタイルの誕生」「N°5:現代女性の目に見えないアクセサリー」「抑制されたラグジュアリーの表現」「スーツ、あるいは自由の形」「シャネルの規範」「ジュエリーセット礼賛」「蘇った気品」といった7つのセクションによって構成。シャネルのクリエイションと服飾史にとどまらない社会的影響などを一堂に紹介する。

ガブリエル・シャネル ドレスとスカーフのアンサンブル 1930頃
プリントのクレープ・デシン パリ、ガリエラ宮、ベルタン夫人より寄贈 © Julien T. Hamon

 例えば、セクション4「スーツ、あるいは自由の形」では10着のスーツを展示予定。現代の女性らしさというシャネルのマニフェストの本質に基づく明確な特徴を持つこれらのスーツは、実用的なポケットからゴールドチェーンにいたるまで、フォルムとバランスが美しく調和している。

ガブリエル・シャネル テーラードのジャケットとスカート 1971春夏
絹クレープ、ガラリット、メタル パリ、ガリエラ宮、マントゥ夫人より寄贈 © Julien T. Hamon

 セクション6「ジュエリーセット礼賛」では、シャネルの作品群において重要な位置を占めたジュエリーに注目。ファッション雑誌編集者のダイアナ・ヴリーランドが所有していた2つの金のブローチや、ロベール・ゴッサンスのベルメイユとクリスタルを使ったネックレス、ベルメイユとガラスペースト技術を用いたブレスレットなどを見ることができる。

シャネルのクリエイション、ロべール・ゴッサンス製作 ブレスレット 1960年代
シルバー、ゴールド、メタル、パート・ド・ヴェール パリ、パトリモアンヌ・シャネル © Julien T. Hamon

 展覧会の最後を飾るのは、シャネルの象徴的な色であるホワイトとゴールド、レッドとブラックを使った一連のドレスやイヴニング・ドレス。また、金糸を用いたドレスや、ガブリエルにとって最後となった1971年春夏コレクションの作品も集結する。

ガブリエル・シャネル イヴニング・ドレス 1971春夏
絹モスリン、金糸のブロケード パリ、パトリモアンヌ・シャネル © Julien T. Hamon
シャネルのクリエイション、ロべール・ゴッサンス製作 ベルト 1971春夏
メタル、パート・ド・ヴェール、コスチューム・パール パリ、パトリモアンヌ・シャネル © Julien T. Hamon

 1920年代の衣装作品に始まり、各時代を代表する服飾作品に加え、N°5の香水瓶やアクセサリーなど貴重な作品と資料を通し、シャネルのシックでエレガントな作品世界を体感してほしい。

編集部

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