古くから建築を制作するための手本として制作され、その時代の建築文化を伝達する媒体としての役割を果たしてきた建築模型。その変遷をたどる展覧会「建築模型展 -文化と思考の変遷-」が、東京・天王洲にある「WHAT MUSEUM(ワットミュージアム)」で開催される。会期は4月28日〜10月16日。
建築模型は建築物が完成に至るまでの試行や検討のツールとしてのみならず、材料や技術の発展に伴い、建築家自身の思考や表現にも影響を与えてきており、その役割は進化し続けている。
本展は、そうした時代やつくり手の思考と共にあり方を変えてきた建築模型に着目。古代から現代における歴史的な文脈のなかで建築模型がどのような役割を果たしてきたのかを考察し、その意義に迫るものだ。
会場には、古墳時代の家形埴輪や江戸時代の延岡城木図や茶室起こし絵図、昭和30年代に制作された高床建物復元模型など、時代ごとの貴重な「建築模型なるもの」が集結。
現代の建築模型からは、磯崎新による「東京都新都庁舎計画」のアンビルト模型や SANAA(妹島和世+西沢立衛)による「Rolex Learning Center, EPFL」、三分一博志による「直島ホール」の風洞実験模型、藤森照信により1本の丸太から制作された模型「ワニ」を展示。また、30年以上前に制作された隈研吾+篠原聡子による「伊豆の風呂小屋」の再現模型が初公開される。
加えて、オンデザインパートナーズによる触れられる模型「町田芹ヶ谷公園”芸術の杜”プロジェクト パークミュージアム」や、震災により失われた街や村を1/500の縮尺の模型で復元し、記憶を保存・継承していくことを目指す「失われた街」模型復元プロジェクトの模型も展示。コミュニケーションツールや記憶の継承を目的とした建築模型の側面にもフィーチャーする。