パリコレをはじめ、COMME des GARÇONSのDMや洋服、ショッピングバッグなどにアートワークを提供してきたペインターのbaanai(バーナイ)。その個展「EXPERIMENTALISM」が、東京の渋谷PARCO内・OIL by 美術手帖ギャラリーで開催されている。会期は8月2日まで。
神奈川県藤沢市鵠沼に生まれたbaanaiは、現在も同地を拠点に活動している。美術の専門教育をほとんど受けず、独学で作品制作を続けるなか、2015年にCOMME des GARCONSの川久保玲にポートフォリオを送り作品が採用されたことを機に、アートやファッション業界をはじめ各界から注目を集めるようになった。現在は多数のブランドに作品が起用され、多くの個展を成功させている。
かつては周囲に才能を否定され抑圧されていたというbaanaiは、絶望のなかでも愚直に自身の表現を追求してきたという。近年は「ARIGATOU GOZAIMASU」の文字を1年365日描き続けることによって独自性を高めている。様々なマテリアルや、自身で決めたルールを試しながら、キャンバスを「ARIGATOU GOZAIMASU」で埋め尽くしていく行為は、生まれ育った鵠沼のサーフィン文化や、影響を受けたグラフィティアーティスト、そしてbaanai自身の経験などに応答するものだ。
本展では、baanaiが初めて手がけた油彩画をはじめとする新作を発表。そこで私たちは、baanaiのアートのあり方を追求する精神と、新たな技法への挑戦を目撃する。本展の出展作品はいずれも7月25日までの抽選販売。それまでの会期中はゆっくりと作品を鑑賞することができる。