「見る」ことを問い直す村田峰紀の新境地。個展で新作のドローイングを発表

目を閉じ、身体感覚を研ぎ澄ませながらパフォーマンスを行ってきた村田峰紀。その個展「effect」が、群馬県高崎市のrin art associationで開催されている。本展ではライブパフォーマンスから離れ、日々ドローイングと対峙した村田の新しいフェーズを目撃することができる。会期は3月21日まで。

村田峰紀 c-drawing ♯06 2020 アクリル絵具、ボールペン、水性染料、ジェッソ、ベニヤ板 49×36×0.75cm 撮影=木暮伸也

 書く(意識)・描く(結果)・掻く(行為)・欠く(潜在)── これらを原初的な「かく」の語源にある4つの要素ととらえ、ドローイングの制作やパフォーマンスを行う村田峰紀。その個展「effect」が、群馬県高崎市のrin art associationで開催されている。会期は3月21日まで。

 村田は1979年群馬県生まれ。2005年に多摩美術大学美術学部彫刻学科を卒業し、現在は前橋市に活動の拠点を置いている。主な展覧会とパフォーマンスに「International Performance Art Biennale in Vancouver」(Ground Floor Art Centre、カナダ、2019)、「アブラカダブラ絵画展」(市原湖畔美術館、千葉、2017)、「Think Tank LabTriennale, TWO STICKS」(ヴロツワフ建築美術館、ポーランド、2016)、首くくり栲象 × 村田峰紀 × 山川冬樹「間人」(前橋市芸術文化れんが蔵、群馬、2015)などがある。

 目を閉じ、身体感覚を研ぎ澄ませながら圧倒的なパフォーマンスを行ってきた村田。制作においても「視覚は自我が強く反映されるため、身体感覚にエラーをもたらす」として可能な限り視覚を遠ざける。 

 2020年から続く新型コロナウイルスの流行により日常の見直しを迫られ、見ることの原点に立ち戻ったという村田。これまでの自身の視点のあり方を更新・再構成して、新作の制作に向き合ったという。本展では、ライブパフォーマンスから離れ、日々ドローイングと対峙した村田の新しいフェーズを目撃することができる。

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