日本橋三越本店の三越コンテンポラリーギャラリーでクリエイティブチーム・AC部の個展「『九越』―Transmorph」が開催される。会期は12月23日~2021年1月4日。
AC部は1999年に安達亨と板倉俊介により結成。多摩美術大学在学中に《ユーロボーイズ》でNHK「デジタルスタジアム」の年間グランプリを受賞してキャリアをスタートし、現在ではテレビ、CM、プロモーションビデオ、ウェブサイトと表現の場を広げている。
近年では、テレビアニメ『ポプテピピック』内のコーナー「ボブネミミッミ」の制作や、スケッチブックを矢継ぎ早にめくる手動アニメーション「高速紙芝居」でも知られるAC部。同展は現代美術としてAC部が本格的に作品を発表する初の機会となる。
「『九越』―Transmorph」の展示の中心となるのは、AC部が手掛け11月に公開された、ニューヨークのバンド、バトルス「Sugar Foot」のミュージックビデオだ。同作はAC部にとって初めての海外アーティストとのコラボレーションとなった。
「Sugar Foot」の舞台となっているのは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止になってしまったイベントの無念を晴らすべく開催された「大宇宙ロボット祭」。祭には神輿やねぶたなど、日本的なモチーフが多数登場し、さらに未知の脅威と戦うために地球がロボットに変形する独特の映像となっている。
展覧会は、ビデオ内で描き切れなかった「Sugar Foot」の世界観を、作品が補完するように構成。オブジェや大作ペインティング、複数のメディアを組み合わせた作品や、2.5Dプリントなどを展示販売する。
「この時代を生きる鑑賞者に勇気を与えるべく制作した」と語るAC部が、アートスペースでいかなる展示を実施するのか注目が集まる。