2006年に設立されて以来、メディアという概念や技術を通じ、人間が行う様々な表現行為を問い直してきた東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻。学生の制作や研究の成果を公開する展覧会として毎年開催されてきた「OPEN STUDIO」が、今年はオンラインで「OPEN STUDIO 2020 - ONLINE」として開催されている。会期は10月18日まで。
同専攻ではコロナ禍の影響で、授業、制作、ディスカッション、グループワーク、そして本展にいたるまで、すべてをオンラインで実施。学生たちはそれぞれの自宅から、5名の教員(畠山直哉、佐藤雅彦、高山明、桐山孝司、桂英史)から出される独自の課題と向き合った。
本展では誰も経験したことのない条件のなか、修士1年生が入学から3ヶ月の間に取り組んだ5つの特別演習の成果を発表。一人ひとりの「部屋」をそれぞれの「カメラ」として想像し直す「Being Distant. Staying in CAMERA」や、作品への参加を通して異なるものとの接続を復帰させるようなエクササイズを考案する「家庭用ヘテロトピア・エクササイズ」など、多様な課題への応答を見ることができる。
出展作家は、山岸耕輔、龍村景一、ジョイス・ラム、笠島久美子、小嶋宏維、林裕人、孫奎星、内海拓、西村梨緒葉、松井靖果、田中彩。入場は無料で、観覧に際してはメールアドレスの登録が必要だ。