肖像画でたどる英国王室。「KING&QUEEN展」(上野の森美術館)
1856年にオープンした、ロンドンの肖像専門美術館「ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー」。その所蔵作品約90点が来日する展覧会「ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー所蔵 KING& QUEEN展─名画で読み解く 英国王室物語─」が、上野の森美術館で開催される。
出品作品に含まれるのは、英国王室の歴史を脈々と築き上げてきた人々。6人の妻を持ち絶対君主の名を欲しいままにしたヘンリー8世、「ブラッディ・メアリー」の異名をとったメアリー1世、最強国スペインの無敵艦隊を撃退し、生涯未婚を通したことから「ヴァージン ・クイーン」と呼ばれたエリザベス1世、18歳から63年間治世した「ヨーロッパの祖母」ヴィクトリア女王など、歴史に刻まれた権力者たちの肖像画が並ぶ。
また、現在の王であるエリザベス2世、そして息子のチャールズ皇太子や孫のウィリアム王子、ヘンリー王子などの肖像画も展示。英国王室の歴史を肖像画でたどることができる展覧会だ。
会期:2020年10月10日〜2021年1月11日
会場:上野の森美術館
住所:東京都台東区上野公園1-2
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00~17:00(金~20:00) ※入場は閉館の30分前まで
※日時指定券チケット購入や新型コロナ対策などの情報は展覧会公式サイトを参照
多様な被写体に向けられたまなざしを総覧。「生誕100年 石元泰博写真展 伝統と近代」(東京オペラシティ アートギャラリー)
写真家・石元泰博の生誕100年を記念する回顧展「生誕100年 石元泰博写真展 生命体としての都市」が東京オペラシティ アートギャラリーで開催。
石元は1921年アメリカ・サンフランシスコ生まれ。シカゴのニュー・バウハウス(インスティテュート・オブ・デザイン)で学び、対象の構造的、空間的特性を鋭くとらえた作品によって、写真界にとどまらず、建築、デザイン、美術の分野でも活躍し、戦後日本の芸術界に大きなインパクトを与えた。
日本の伝統建築を撮影した「桂離宮」シリーズや、ライフワークとなったシカゴと東京の人と街を撮影した作品など、対象の本質と写真の可能性への飽くなき探究心から生まれた作品群は、国内外で高く評価されている。
同展は東京都写真美術館、高知県立美術館、東京オペラシティ アートギャラリーの3館の共同企画のひとつととして、「伝統と近代」を切り口に作家活動の前半に軸足を置きながら、多様な被写体に向けられた石元のまなざしに注目する展覧会だ。
会期:2020年10月10日~12月20日
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2
電話番号:050-5541-8600
開館時間:11:00~19:00 ※入場は閉館の30分前まで
新たなアートコンプレックスのこけら落とし。「ENCOUNTERS」(ANB Tokyo)
アーティスト支援やコミニティー形成などを通じた新たなエコシステムの醸成を目的に、六本木に設立された 「ANB Tokyo」。そのオープニング企画展が「ENCOUNTERS」だ。
予期せぬ「遭遇」から生まれる新しい創造をテーマにした本展は、石毛健太、丹原健翔、西田編集長、布施琳太郎、吉田山、Tokyo Photographic Researchがキュレーションを担当し、4つの小展覧会によって構成。会場はANB Tokyoの3階、4階、6階、7階を使用する。
3階の「NIGHTLIFE」では西田編集長がキュレーションを担い、Houxo QueとMESの2組がコラボレーション。4階の「楕円のつくり方」は、吉田山と布施琳太郎によるキュレーションにより、長島有里枝、やんツー、NAZE、スクリプカリウ落合安奈、マーサ・ナカムラ、松田将英が参加する。
6階は石毛健太と丹原健翔がキュレーションし、石毛と丹原のほかに喜多村みか、郷治竜之介、林千歩、山形一生が参加。7階の「TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH」による「SOURCE/ADIT: Studio TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH」は、11名の作家が参加。新たなプラットフォームの誕生にふさわしい、多様な才能が集まった。
会期:2020年10月11日~11月8日
会場:ANB Tokyo
住所:東京都港区六本木5-2-4
開館時間:12:00〜20:00 ※事前予約制