1981年の開廊以来、建築ややきものを軸とした展覧会や出版事業を行ってきた東京・京橋のLIXILギャラリー。同スペースが9月末に閉廊し、LIXIL出版もあわせて活動を終了する。
そんなLIXILギャラリー最後の展覧会として、現在オンラインで「クリエイションの未来展 第23回」が開催中だ。会期は9月30日まで。
展覧会シリーズ「クリエイションの未来展」は、日本の建築・美術界を牽引する4人のクリエイター、清水敏男(アートディレクター)、宮田亮平(金工作家)、伊東豊雄(建築家)、隈研吾(建築家)を監修者に迎え、独自のテーマで現在進行形の考えを具現化するもの。
その最終回となる本展「Multiplication」の監修を務めるのは隈研吾。3Dモデル化され、バーチャル空間に再構築されたLIXILギャラリーを会場として、過去6回の隈研吾建築都市設計事務所(KKAA)の作品のアーカイブ展示と、KKAAによる建築の新たなデジタル表現を試みる。
展示では、ゲームの企画・開発・販売などを行う株式会社ヒストリアのエンタープライズブランドである「ヒストリア・エンタープライズ」と協力。ゲームエンジンによる新しい3Dの表現を用いて、抽象化された隈の建築を体験することができる。
なおギャラリーのウェブサイトでは、隈と野老朝雄、豊田啓介(建築家、noiz)によるオンライントーク「建築・デザインのこれから -Multiplication, CONNECT/DISCONNECT-」も会期終了まで配信されている。
本展を最後に、約40年にわたる活動に幕を下ろすLIXILギャラリー。今後は愛知県常滑市のINAXライブミュージアムを中心に、文化活動の発信を続けていくという。