図鑑形式で博物誌のように世界を描くなど、現実と幻想を交えた独自の絵画を展開する齋藤芽生(さいとうめお)。その新作個展「最涯(さいはて)商店」が、東京・乃木坂のギャラリー・アートアンリミテッドで開催される。会期は9月12日~10月17日。
齋藤芽生は、1973年東京都生まれ。おもな展覧会に「VOCA 展現代美術の新しい地平―新しい平面の作家たち」(2005/2010、上野の森美術館)、「アーティストファイル2009―現代の作家たち」(2009、国立新美術館)、「祝祭と祈りのテキスタイル」(2010、熊本市現代美術館)、「大原美術館秋の有隣荘特別公開 齋藤芽生 密愛村」(大原美術館、2016)などがある。2019年には、目黒区美術館で集大成となる個展「齋藤芽生とフローラの神殿」を開催。齋藤の創作の源泉としての「旅」の重要性が、絵画と撮影画像などで提示された。
今回の「最涯商店」では、不可思議な商店を描いた新作絵画シリーズ「最涯商店」8点が展示される。さらに、齋藤芽生の人格形成に多大な影響を与えたという、母の齋藤洋子の手製の作品も展示販売する予定だ。
齋藤は展示について、以下のようなメッセージを記している。「さいはての地に佇むあの商店では何が売られているのか。閑散としていてもシャッターが閉ざされることはない。人の気配の無い町で虚ろな口を開ける店構え。侘しい風景に漏れ出る青や赤の灯火。奇妙な衣料や薬品や菓子たちが黙って棚で時を待つ。いつか何かの目的で、密かに誰かを満たすために…」。