1992年公開の映画『ドラキュラ』の衣装を手がけ、アカデミー賞を受賞。また2008年の北京五輪では開会式の衣装を担当するなど、世界的デザイナーとして知られる石岡瑛子(1938〜2012)。その世界初となる大規模回顧展が、東京都現代美術館で開催される。会期は11月14日〜2021年2月14日。
石岡は1938年東京都生まれ。東京藝術大学美術学部を卒業後に資生堂に入社し、社会現象となったサマー・キャンペーン(1966)を手がけ、頭角を現した。独立後もパルコや角川書店などの数々の歴史的な広告を制作し、80年代初頭には拠点をニューヨークに移す。その後は映画やオペラ、サーカス、演劇、ミュージック・ビデオなど、多岐に渡る分野で活躍を見せた。
本展は、「Timeless:時代をデザインする」「Fearless:出会いをデザインする」「Borderless:未知をデザインする」の3部で会場を構成。
石岡のデザインプロセスを示す膨大な資料や、『ドラキュラ』(1992)、『落下の王国』(2006)、『白雪姫と鏡の女王』(2012)、オランダ国立オペラ『ニーベルングの指環』(1998-1999)など、ハリウッド・アカデミーをはじめとする世界各国のアーカイブから集められた映画・舞台衣装を展示。石岡のデザイナー人生を総覧するものとなる。