KOURYOU

　大阪中之島美術館で「Osaka Directory 9 Supported by RICHARD MILLE KOURYOU」が開催される。

　大阪中之島美術館では、関西・大阪21世紀協会と「Osaka Directory Supported by RICHARD MILLE」を共同開催しており、2024年で3年目となる。「Osaka Directory Supported by RICHARD MILLE」は、関西ゆかりの若手作家を中心に個展形式で紹介する展覧会だ。本シリーズを通して、将来活躍が期待される関西の若手アーティストの情報を美術館というディレクトリに格納、保管し、さらに、ここ大阪中之島美術館から彼らの活動を広く世に紹介し、世界に羽ばたくことを支援している。

　KOURYOUは、1983年福岡県生まれ。現在は東京都と大阪府を拠点に活動している。2008年にハイパーリンクの迷宮をさまようウェブサイト「クリック スピリット」を開設。以降、サイト制作と行き来しながら制作する設計図のような絵画、立体作品を発表。代表作に、土地に眠る伝承と現実の地図をかさねあわせた《いわき伝説ノート-キツネ事件簿-》（2016〜継続中）がある。

　また、瀬戸内国際芸術祭2019（女木島）をきっかけに、20年よりアートプロジェクト「EBUNE（家船）」を開始し、佐賀、福岡、小豆島、淡路島、大阪に漂着。多くの作家とともに地元コミュニティと協働し、土地のリサーチをもとにした展示、儀式、イベントを開催している。ウェブサイト上でもひとつの物語を紡いでいる。

　本展のために制作する作品は、大阪中之島美術館が近世の蔵屋敷跡地にあることが発端となっている。KOURYOUは、中之島に多くの物や人、情報が船で運ばれてきた歴史と、自分自身の「EBUNE」の活動を重ねあわせ、様々な文化の集積地であるこの地で見えてくるものに関するインスタレーションを発表する。