アーティスト兼プロデューサーとして「相対性理論」など数々のプロジェクトを主宰するやくしまるえつこ。そのやくしまるが、「人類滅亡後の音楽」をコンセプトにバイオテクノロジーを用いて制作、音源と遺伝子組換え微生物のかたちで発表した作品『わたしは人類』は、世界最大のメディアアートの祭典アルスエレクトロニカ・STARTS PRIZEグランプリを受賞。本作は、その後も各地の美術館で展示され、現在開催中の森美術館「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」でも話題を呼んでいる。
今回、その発展形として、六本木ヒルズ全域を舞台に本作を突然変異させる特別企画 「わたしは人類:ミューテーションヒルズ」が、本日2月14日よりスタートした(~3月29日)。本企画は、来場者がスマートフォンで特設サイトを開き、六本木ヒルズを歩き回ることで、やくしまるが仕掛けた5種類の『わたしは人類』変異体を見つけていくユーザー参加型企画。各変異体エリアに到達するたびに、『わたしは人類』が変異した様々な音楽や画像を体験することができる。
その変異体は、アート・リンゼイや真鍋大度による初公開リミックス音源や、同じく初公開となるウィスット・ポンニミットが『わたしは人類』をモチーフに描き下ろしたマンガ作品、そして2つのライブバージョンを含む計5種だ。
また2月15日からは、3期にわたり六本木ヒルズ森タワー52階の東京カルチャーリサーチにて開催されている「YXMR FASHION RESEARCH やくしまるえつこ衣裳展」の最終期もスタート。SINA SUIEN制作によるやくしまるえつこオリジナル衣裳の数々の初展示によって、本展は幕を閉じる(~2月26日)。今回の企画開催を記念して、本展のポスターも突然変異。アーティスト・河村康輔によるコラージュを用いた変異版ポスターが公開された。
『わたしは人類:ミューテーションヒルズ』「未来と芸術展」「YXMR FASHION RESEARCH やくしまるえつこ衣裳展」と、六本木で同時期に開催される3つの企画を通じて、やくしまるの多彩な活動に迫りたい。