アーティスト兼プロデューサーとして「相対性理論」など数々のプロジェクトを主宰し、一貫してインディペンデントでの音楽活動を続けるやくしまるえつこ。バイオテクノロジーを駆使し、世界最大のメディアアートの祭典アルスエレクトロニカ・STARTS PRIZEグランプリを受賞した作品『わたしは人類』は、現在、森美術館で開催中の「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」でも展示されている(~2020年3月29日)。
これに加えてやくしまるは、同じく展示されている手塚治虫『火の鳥』未来編をモチーフとした新曲『Human Is(feat. Fennesz)』を、オーストリアの音楽家クリスチャン・フェネスをフィーチャーするかたちで制作・発表。ポップからエクスペリメンタル、ライブハウスから美術館、文芸誌での連載からセーラームーンの主題歌、映画音楽、アイドルへの楽曲提供まで、長年にわたり様々な世界が領域横断的に絡み合う活躍を続けてきた。
そんなやくしまるは、音楽やアートのみならずファッションの世界からも注目度の高い。オリジナルの衣装は、国内外の第一線で活躍するファッションデザイナーたちが、やくしまるの世界観やコンセプトに基づき、本人と綿密なやり取りを重ねながら制作してきたものだ。
今回、その衣装に焦点を当てる展覧会「YXMR FASHION RESEARCH / やくしまるえつこ衣裳展」が、六本木ヒルズ森タワー52階の東京カルチャーリサーチで開催される。2019年12月・20年1月・2月、と各月12日間ずつ、近年のやくしまるえつこオリジナル衣装から担当のデザイナーごと3期に分けて実物展示。
第1期は、遊び心あふれるデザインが人気の落合宏理による「FACETASM」(12月11日〜22日)、第2期はファッションによる表現の可能性を様々なかたちで発表し続ける山縣良和の「writtenafterwards」(20年1月15日〜26日)、第3期は繊細で鮮やかな刺繍を用いる有本ゆみこの「SINA SUIEN」だ(2月15日〜26日)。
なお森美術館のチケットがあれば、本展への入場は無料。「未来と芸術展」や、HILLS LIFE DAILYにてスタートした特集シリーズ「YAKUSHIMARU ETSUKO ART ARCHIVES」などとあわせてチェックしたい。