歌川国貞による幻の春画。「国貞三源氏」が福岡市美術館で特別公開中

現在福岡市美術館では、「大浮世絵展」の同時企画として「まぼろしの春画 国貞三源氏」を開催中。本展は、歌川国貞による源氏物語のパロディーである春画「三源氏」の初摺本を揃って紹介する、世界で初めての貴重な機会だ。会期は3月22日まで。

歌川国貞 正寫相生源氏 福岡市美術館蔵 ※展示期間=通期

 美人画と役者絵という浮世絵版画の第一線で活躍し、浮世絵師のなかでも一番の作画量を誇る歌川国貞(1786~1864)。国貞は春画においても才能を発揮し、なかでも源氏物語のパロディーである『花鳥余情 吾妻源氏(かちょうよじょう あづまげんじ)』『艶紫娯拾餘帖(えんしごじゅうよじょう)』『正寫相生源氏(しょううつしあいおいげんじ)』の3つからなる「三源氏」は、多色摺木版画の頂点とも評されている。

 そんな「三源氏」の初摺本を揃って紹介する「まぼろしの春画 国貞三源氏」が、福岡市美術館で開催されている。会期は3月22日まで。

歌川国貞 正寫相生源氏 福岡市美術館蔵 ※展示期間=通期
歌川国貞 正寫相生源氏 福岡市美術館蔵 ※展示期間=通期

 『正寫相生源氏』初摺本の受贈を記念して行われる本展。同作はほぼすべてのページに金、銀、青貝など贅を尽くした摺りが用いられ、「三源氏」のなかでも群を抜いた出来栄えを示している。長いあいだ所在が不明となっていたが、近年発見された「幻の」春画だ。

 本展では『正寫相生源氏』に加え、『花鳥余情 吾妻源氏』、『艶紫娯拾餘帖』もあわせて公開。「三源氏」の初摺本が一同に集結する、世界でも初めての機会となる。同館で開催中の「大浮世絵展」とあわせて、国貞の超絶技巧を楽しみたい。

歌川国貞 花鳥余情 吾妻源氏(部分) 個人蔵 ※展示期間=通期
歌川国貞 艶紫娯拾餘帖 永青文庫蔵※展示期間=前期(1月28日〜2月24日) 

編集部

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