2019年、東京都写真美術館で回顧展「A 45 Year Odyssey」を開催したモノクローム写真の巨匠、マイケル・ケンナ。同展は、静謐で叙情に満ちた風景写真に加えて、強制収容所跡の連作、初のヌード写真など、多彩に写真の可能性を探り続けるケンナの魅力を存分に伝えるものであった。
そのケンナの新しい写真集『BEYOND ARCHITECTURE』が刊行された。これまでは日本やフランスなど、撮影地ごとに作品を発表してきたケンナだが、今回はドイツのキュレーターのもと多様なテーマで場所にこだわらずに編集。300点の作品を収録した同書は、タイトル通り「建築を超え」、実在の対象から、不可視の空気感まで現すケンナの芸術を伝える1冊となっている。
また、同書の出版を記念したケンナの個展が、東京・乃木坂のギャラリー・アートアンリミテッドで開催される(2月1日〜3月19日)。本展では、ケンナの暗室から届いた25点のオリジナル・プリントを見ることができる。
本展が開幕する2月1日には、ケンナも来日。サイン会とオープニングレセプションが行われるので、あわせてチェックしたい。