既出の本に新たな視点を。出版社Rondadeによる展覧会「displacement」とは?

ときに通念的な書籍の形式から逸脱し、その枠組みや概念を問いかけるアートブックを揃える出版社「Rondade」。現在、東京・恵比寿のCAGE GALLERYでは、Rondadeによる展覧会「displacement」が開催されている。会期は2020年1月26日まで。

「displacement」より

 様々なアーティストとの共同プロセスを通じて、独自の本を制作する出版社「Rondade」による展覧会「displacement」が、東京・恵比寿のCAGE GALLERYで開催されている。会期は2020年1月26日まで。

 創造の初期衝動に立ち返り、既成の枠にとらわれないかたちと方法で現化することを目的に設立されたRondade。そこには彫刻家・冨井大裕や、写真家・伊丹豪の作品集など、ときに通念的な書籍の形式から逸脱し、その枠組みや概念を問いかけるアートブックが揃う。

 「displacement」は、「本」と「場」にまつわる実験的なプロジェクトとして、2019年よりスタートしたもの。本プロジェクトでRondadeは、市場ですでに出回っている本や物から要素を抽出しながら、別の視点を再設定。プラットフォームとして「Shop」という場を検証してきた。

「displacement」より

 本展ではNADiff a/p/a/r/tと連携し、「displacement」で選ばれた「本」は同店の書棚に挿入されていく。2つの窓枠を展示空間として転用した同ギャラリーから書店へ、「場」を拡張していくという試みだ。ギャラリーには、2地点のつながりの痕跡となるオブジェクトが置かれている。

 Rondade代表の佐久間磨は、本展の開催にあたって次のようにコメントしている。「Object(商品)が変容することで起こる動きを、Shop(場)という受け皿で、提出側と受け手側で何を交換していくのかを改めて私たちは考えていきます」。

「displacement」より

編集部

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