2019.12.9

ハーレムに活動の拠点を置いた5年半。写真家・内藤カツの日本初個展がART UPで開催へ

1988年から約5年半の間、アメリカのハーレムに生活の拠点を置き、同地を撮影し続けた写真家・内藤カツ。今回その日本初個展「Once in Harlem」が、東京の伊勢丹新宿店メンズ館2階のギャラリースペース「ART UP/アートアップ」で開催される。会期は12月11日~31日。

(C)Katsu Naito
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 写真家・内藤カツの個展「Once in Harlem」が、東京の伊勢丹新宿店メンズ館2階のギャラリースペース「ART UP/アートアップ」で開催される。会期は12月11日~31日。

 内藤は1964年東京都生まれ、83年に渡米。言葉の不自由さを埋める手立てとしてカメラを手に取った。より刺激を求めて訪れたハーレムに魅了され、88年から約5年半の間同地に生活の拠点を置き、のちに刊行される写真集『Once in Harlem』(2018)の土台を築いた。

 本書は、恐怖や緊張感と隣合わせの生活のなかで、徐々に街や人々に受け入れられていった内藤が、90年代はじめから中頃にかけて、当時のハーレムのありのままを撮影した写真集だ。

© Katsu Naito

 また内藤は、ハーレムと同時にニューヨークのストリートの売春夫婦の撮影も行っていた。2010年には、ネペンテス・ニューヨーク店での個展「WEST SIDE RANDEZVOUS」で売春婦のポートレイトを発表。翌年には同名の写真集が刊行された。

 日本初個展となる本展では、写真集『Once in Harlem』の中から9枚の写真をセレクトし、ネガフィルムで保管されたものを現像・焼き付けした写真作品を展示。これに加えて、本書の展示・販売のほか、写真がシルクスクリーンプリントされたカットソーも登場するという。

 会場には、ハーレムの人々と、同じコミュニティーのなかで生活をともにした内藤だからこそとらえることのできた風景が広がっているはずだ。

© Katsu Naito