画家と絵の間で交わされる親密なやりとり。O JUNの個展「途中の造物」がミヅマアートギャラリーで開催中

様々な画材を用いて、日常的な物や風景を描くO JUNの個展「途中の造物」が、東京・市ヶ谷のミヅマアートギャラリーで開催されている。3年ぶりの個展となる本展に注目だ。会期は12月14日まで。

O JUN 静物 2019 (C)O JUN, Courtesy of Mizuma Art Gallery

 油彩や鉛筆、クレヨン、顔料、水彩など様々な画材を用いて、日常的な物や風景を描くO JUN。現在その個展「途中の造物」が、東京・市ヶ谷のミヅマアートギャラリーで開催中だ。会期は12月14日まで。

 O JUNは1956年東京都生まれ。80年に東京芸術大学美術学部絵画学科油画専攻を卒業し、82年に同大学で修士号を取得。その後、スペインやドイツでの滞在を経て、2007年より文化庁芸術家在外派遣研修員として、アルゼンチンのブエノスアイレスに滞在した。

  特別な景色やモチーフ、ドラマチックな一場面を描いているわけではないにもかかわらず、筆致や絵具の生々しさや、明るさのなかに影を残す色彩感覚で、人々を魅了するO JUNの作品。O JUN自身もまた、描く行為について「意味ではなく、色彩やかたちの問題でもない、どちらが優先されるのでもない、マテリアル、絵具、イメージの『一緒くた』を起こすこと、そして、チューショーガにもグショーガにも落とし込まない、一緒くたの尾根を歩き続けること」とコメントしている。

O JUN 水金地火木 2019 ©O JUN, Courtesy of Mizuma Art Gallery

 本展は、O JUNにとって3年ぶりの個展。「途中の造物」という展覧会タイトルは、画家と絵の間で交わされる、心もとなくも親密なやりとりを示したものだという。本展では、油彩を中心とした新作を発表。静物、人物、風景といった絵画の基礎ともいえる題材を大中小様々に描いた作品群が並ぶ。

 また12月初旬には、作品集『途中の造物』が刊行される。こちらはギャラリーで購入することができる。

編集部

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