海底の奥深くで生成した石や宇宙から落下した隕石、数十億年前の石。そんな鉱物の数々を音楽家・原摩利彦による音とともに紹介する「音と旅する鉱物展」が、福岡・三菱地所アルティアムで開催される。会期は12月21日~2020年1月26日。
本展は国内でも最大級の750万点の貴重な博物標本・資料を収蔵する九州大学総合研究博物館から、選りすぐりの鉱物コレクション約100点を紹介するもの。同館の鉱物は通常一般公開されておらず、本展は質、量ともに充実した標本を展覧する貴重な機会となる。
音を手がけるのは、名和晃平《Biomatrix》(2018)のサウンドスケープや、NODA・MAPの舞台『Q』(2019)のサウンドデザインなど、現代アートから舞台、映像まで幅広い分野で活動する音楽家の原摩利彦。フィールドレコーディングの手法を取り入れる原は今回、同館を訪れて収集した鉱物の音やそこから連想する音をもとに、本展のための音楽を制作した。
原によって紡ぎ出される、五線譜に書き表せない音に包まれながら鉱物を鑑賞することのできる本展。目に見えない遠い時代や場所への想像を掻き立てられるような、新たな鑑賞体験を得ることができるだろう。