近藤聡乃展　呼ばれたことのない名前

　アニメーションをはじめ、マンガや絵画、エッセイなど幅広く手がけるニューヨーク在住の作家、近藤聡乃（こんどう・あきの）の初回顧展が開催される。

　近藤は1980年千葉県生まれ、2003年多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。在学中、アニメーション作品《電車かもしれない》（2001-2002）で文化庁メディア芸術祭奨励賞を受賞。自身の幼い頃の記憶やとらえどころのない感覚を、独自の感性と精緻な観察力で汲み取った世界を作品にしている。

　18年には森美術館のMAMスクリーンで紹介され、今年はアヌシー国際アニメーション映画祭で《てんとう虫のおとむらい》が上映されるなど、国内外で活躍。現在、Webマガジン『あき地』にてエッセイマンガ『ニューヨークで考え中』を、マンガ誌『ハルタ』で『A子さんの恋人』を連載している。

　本展では、代表的なアニメーション作品のほか、高校時代のときに初めて描いたマンガ『女子校生活のしおり』、アニメーション、スケッチ、絵画、ドローイングなど異なる形式で表現された作品《KiyaKiya》、現在連載中の『A子さんの恋人』、そして未発表の絵画作品を含む約50点を展示し、近藤の多岐にわたる創作を紹介する。