アーティスト・大崎晴地が問う、「障害」のある豊かな生活とは?

アーティスト・大崎晴地が主宰する「《障害の家》プロジェクト」が、足立区・千住のコミュニティスペース「たこテラス」の建物を改装し、家自体を作品として体験するイベントを開催する。

「障害の家」プランニング・「家の中の山」(アサヒ・アートスクエア、2015、撮影:金川晋吾)

「《障害の家》プロジェクト」は、2015年にアーティストの大崎晴地によって立ち上げられたプロジェクト。障害のある人が健常者の社会に合わせるかたちとなっている「バリアフリー」の現状に対して問題を提起し、「障害」や「バリア」のある生活のほうが健常者よりも豊かで多様であることを検証する活動を行う。

 今回は、既存の家屋を改装し、来場者が体験を通して「障害」とは何かを考える場を提供。木造家屋を改装したコミュニティスペース「たこテラス」を舞台とし、内と外の区別が曖昧な日本家屋の特徴を活かしながら、訪れた人たちの声を拾って建物の空間に反響させたり、畳を積み重ね屋根近くにまで登れるようにしたりと、様々なしかけを施す。

 本プロジェクトは、最終的には建築家・笠島俊一との協働により実際の「家」を建てることを目指しており、今回の展示はそのプロセスにおける実験的アプローチとなる。

 3月20日には、精神病理学者の松本卓也をゲストに迎え、トークイベントも開催される。

編集部

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