パナソニック、視覚障害者向けの
美術鑑賞ガイドサービスを開発

パナソニックは、2017年2月1日と2月18日に、パナソニック 汐留ミュージアムにおいて、視覚障害者の美術鑑賞を補助する、業界初の鑑賞ガイドサービスの実証実験を行うと発表した。

アンリ・マティス  窓辺の女 1920 みぞえ画廊蔵

今回の実験では、視覚障害者のために制作した音声コンテンツを、展示の場所に応じて骨伝導ヘッドホンで自動再生することにより、障がい者が一人でも気軽に美術鑑賞をすることが可能となる。パナソニックによると、この位置情報を使った視覚障害者向け鑑賞ガイドサービスはエレクトロニクス業界初の取り組みとなるという。

このガイドサービスでは、鑑賞者が美術作品に近づくと、持っているスマートフォンが作品上部に設置されている高指向性ビーコンから信号を受信。それを受けてスマートフォンの専用アプリが対象作品の鑑賞ガイドを再生し、骨伝導ヘッドホンを通じて音を届けるというもの。耳をふさがない骨伝導ヘッドホンを使用することで、周囲の音も聞くことができ、鑑賞者は美術館の雰囲気を感じながら、安全に鑑賞を楽しむことができる。

パナソニックが開発した視覚障がい者向けガイドサービスの仕組み

専用アプリで再生する鑑賞ガイドは、任意団体「視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」と、美術館の音声ガイドを数多く制作しているアートアンドパートの協力のもと、視覚障害者向けに特別に用意したもの。作品の大きさ、構図、色味、風合いなどを詳細に解説することで、作品が見えなくても現物を想像しやすい配慮がなされており、パナソニックは今回の実証実験を通じて、視覚障がい者にとって楽しい美術鑑賞とは何か、といった有用性を検証するとしている。

なお、実証実験は障害の有無にかかわらず参加可能。

編集部

Exhibition Ranking