安藤忠雄は1941年大阪生まれ。独学で建築を学び、69年に安藤忠雄建築研究所を設立した。79年には「住吉の長屋」で注目を集め、日本建築学会賞を受賞。そのほかの代表作に「光の教会」(大阪)、「直島・地中美術館」(香川)「ピューリッツァー美術館」(アメリカ)などがある。
2014年から、自身の作品を収めたポートフォリオを制作してきた安藤。今回、その最新作『ANDO BOX Ⅵ』(amanasalto)の発表にあわせ、銀座 蔦屋書店内のGINZA ATRIUMで展覧会「安藤忠雄―光を求めて」が開催される。会期は10月23日~11月4日。
同作は、安藤が自身の手がけた建築を撮影した写真を高精細のプラチナプリントで仕上げたもの。安藤が求める「建築の光」を自らの目で写し取った15枚がセレクトされており、たんなる建築写真や特定の建築作品の表層的な断片ににとどまらず、安藤建築の普遍性を伝える作品となっている。
展覧会では15枚の写真に加え、ポートフォリオに含まれるオリジナルドローイング3点と、「直島・地中美術館」のコンセプト模型を紹介。また、オープニングレセプションで安藤が展示壁面に直接スケッチを描くことで展示が完成するという。
「その場所でしか出来ない、その建物だけが持つ光の空間」を追い求めてきた安藤。自身が写し取るその現在形を、この機会に目撃したい。