花魁の下駄から着想を得た「ヒールレスシューズ」をはじめ、日本の伝統文化を着想源に、様々な作品を生み出すアーティスト・舘鼻則孝が新作個展「WOODCUTS(ウッドカッツ)」を東京・天王洲のKOSAKU KANECHIKAで開催する。会期は9月7日~10月12日。
本展タイトルにもある「WOODCUTS」とは、「源氏香」と呼ばれる日本の香文化から着想を得た作品名。源氏香とは、組香と呼ばれる競技形式の香りの鑑賞方法のことで、順に炷かれた香りの異同を判ずるだけでなく、それを図案「源氏香の図」で示すもの。図案には、源氏物語の全54帖のうち52帖の巻名が付されていることから、源氏の名を冠した呼び名となった。
舘鼻は本シリーズを、2018年9月に文化庁指定有形文化財・旧山口萬吉邸で開催された個展「NORITAKA TATEHANA RETHINKー舘鼻則孝と香りの日本文化ー」で初めて発表した。同展ではシリーズのうち16作が展示されたが、今回の個展では全52作を展示。全貌を明らかにする。
このほか、「ヒールレスシューズ」や花魁のかんざしをモチーフとした「ヘアピンシリーズ」、刀匠・河内國平の日本刀を用いた彫刻作品の新作も公開。また本展のための新作ペインティング20点以上も並ぶなど、大規模な新作個展となる。