2019.7.6

高畑勲からフォルチュニまで、今週末に見たい3つの展覧会

今週スタートした展覧会のなかから、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。この機会をお見逃しなく。

「高畑勲展ー日本のアニメーションに遺したもの」展示風景より
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高畑勲の活動を総覧する。「高畑勲展─日本のアニメーションに遺したもの」(東京国立近代美術館

展示風景より

 『平成狸合戦ぽんぽこ』『かぐや姫の物語』などのスタジオジブリの映画作品や『アルプスの少女ハイジ』をはじめとするテレビシリーズを手がけ、2018年に逝去したアニメーション監督・高畑勲。その活動を総覧する展覧会「高畑勲展―日本のアニメーションに遺したもの Takahata Isao: A Legend in Japanese Animation」が、東京国立近代美術館でスタートした。

 高畑の仕事を1960年代から時系列に沿って紹介し、「演出」という視点から総覧するもの本展は、「出発点」「日常生活のよろこび」「日本文化への眼差し」「スケッチの躍動」の4章構成。未発表の制作ノートや絵コンテなどを含む資料約1000点を通して、高畑が遺したものとじっくり向き合いたい。

会期:2019年7月2日~10月6日
会場:東京国立近代美術館 1階企画展ギャラリー
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00〜17:00(金土〜21:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし祝日・振替休日の場合は開館、翌日休館)
料金:一般 1500円 / 大学生 1100円 / 高校生 600円 / 中学生以下無料

 

佐藤直樹の公立美術館初個展。「本と美術の展覧会vol.3 佐藤直樹展:紙面・壁画・循環」(太田市美術館・図書館

展示風景より

 デザイナー/アートディレクターとして活動しながら、近年は絵画制作に打ち込む佐藤の仕事を、その両面から紐解いていく個展「本と美術の展覧会vol.3 佐藤直樹展:紙面・壁画・循環」が、群馬県の太田市美術館・図書館で開幕した。

 東日本大震災前の2010年代、「それまで意識したことのなかったある場所の気配に身体が反応した」ことをきっかけに本格的な絵画制作をスタートした佐藤。13年に描き始めた、植物を主とした木炭壁画《そこで生えている。》は、完成が想定されないまま、いまや幅160メートルを超え、さらに日々増殖を重ねている。本展では、《その後の「そこで生えている。」》としてその一部を展示し、折々で対峙していた状況に「自身が全力を注いで行えることは何か」ということを考え、循環的に表現を変えてきた佐藤の足跡をたどることができる。

会期:2019年6月29日〜10月20日
会場:太田市美術館・図書館
住所:群馬県太田市東本町16-30
電話番号:0276-55-3036
開館時間:10:00〜18:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日:月(ただし7月15日、8月12日、9月16日、23日、10月14日は祝休日のため開館し、翌火休館)
料金:一般 500円

 

ファッションから舞台装置まで。「マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展」(三菱一号館美術館

展示風景より

 軽くてしなやか「デルフォス」(繊細なプリーツを施した絹サテンのドレス)で20世紀初頭の服飾界の寵児となった人物、マリアノ・フォルチュニ。その全貌を、日本で初めて紹介する展覧会「マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展」が、東京・丸の内の三菱一号館美術館で開幕した。

 本展では、フォルチュニの邸宅兼アトリエを美術館として公開しているフォルチュニ美術館(ヴェネチア)全面協力のもと、フォルチュニ芸術の真骨頂である絹地のドレスやコートなどの服飾作品のみならず、絵画、版画、写真、舞台関連作品のほか、フォルチュニが蒐集した日本の染め型紙を含むデザイン関連資料等を総合的に展覧。様々な側面に焦点を当てるものとなっている。

会期:2019年7月6日〜10月6日
会場:三菱一号館美術館
住所:東京都千代田区丸の内2-6-2
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00〜18:00(祝日を除く金曜、第2水曜、8月12〜15日、会期最終週平日は21:00まで)
休館日:月(ただし祝日・振替休日の場合、および7月29日、8月26日、9月30日は開館)
料金:一般 1700円 / 高校・大学生 1000円 / 小・中学生 500円