「日記」の断片を拾いあつめて。ジョナス・メカスの映画上映にあわせ、写真展「Frozen Film Frames」が東京と京都で開催

今年1月、惜しまれつつこの世を去った映画監督のジョナス・メカス。2011~12年に制作されたメカスによる映画2作品の上映にあわせ、写真展「Frozen Film Frames」が東京・中野のスタジオ35分、京都の誠光社で開催される。会期は東京会場が2月27日~3月16日、京都会場が3月1日~15日。

ジョナス・メカスによる写真作品

 今年1月、惜しまれつつ96歳でこの世を去った映画監督、ジョナス・メカス。その映画の上映にあわせ、メカスによる写真作品の展覧会「Frozen Film Frames」が、東京と京都の2会場で開催される。

 メカスは1922年リトアニア生まれ。44年にドイツ軍による占領から逃れるため国外へ向かうものの、強制労働収容所、次いで難民キャンプでの生活を経験する。49年にはニューヨークに移住し、その後16ミリカメラを購入。友人たちや家族、街、植物など日々の暮らしを手持ちカメラで撮影し、その断片をつなぎ合わせた「日記映画」のスタイルを確立した。

ジョナス・メカス 『Sleepless Night Stories』(2011)より

 今回は、上映機会の少ない傑作映画を広めることを目指す企画「肌蹴る光線 ―あたらしい映画―」の第4回目として、メカスの作品から、ビョークやオノ・ヨーコ、ハーモニー・コリンなどが登場する『Sleepless Night Stories』(2011)と、おもに2000年までのメカス作品で使われなかったシーンによって構成される『幸せな人生からの拾遺集』(2012)の2作品が上映される。

 またそれにあわせて、同じく東京と京都の2会場でメカスによる写真展が開催される。本展では、映画のコマをチバクロームという現像方法で焼き付け、3~4コマのイメージが連なるように構成された作品群を展示。同作はもともと、実験映画の保存や上映を目的とする「Anthology Film Archives」の資金を集めるために制作をはじめたものだという。

 東京会場では15点、京都会場では8点の写真作品を紹介する本展。上映は東京、京都ともに満席となっているが、ぜひ展覧会でメカスが残した映像の断片に触れてみたい。

ジョナス・メカスによる写真作品

編集部

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