2018.12.20

落合陽一が見せる「写真家」としての一面。言葉/ビジュアル/メディア・アートの間の物質性を表現した新作とは?

メディアアーティスト・落合陽一の「写真家」としての一面に迫る展覧会「質量への憧憬 ~前計算機自然のパースペクティブ~」が、東京・天王洲のamana squareで開催される。会期は2019年1月24日~2月6日。

落合陽一による写真作品
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 国際的に活躍するメディア・アーティストに贈られる「アルス・エレクトロニカ賞」を受賞するなど、国内外で高く評価されている落合陽一。その活動は、メディアアートの制作のほか、実世界志向コンピューティングの研究、研究開発の社会実装のための経営、大学教育を含めた教育活動、論文や書籍の執筆と多岐にわたる。

 メディアアートを含む一連の制作において、「イメージによる表現」と「物質による表現」の間にある表現の可能性について探求し続けてきた落合。その表現方法のひとつである「写真」を用いて、デジタルでしか見えない世界認識で失われつつあるものを切り取るとともに、手触りを与えるプロセスを通した時間と空間の解像度との対話を試みている。

 今回、東京・天王洲のamana squareで開催される展覧会「質量への憧憬 ~前計算機自然のパースペクティブ~」は、そんな落合の「写真家」としての一面に迫り、その美的感覚やイメージをたどるものだ。

 本展では、落合が今回のために撮り下ろした作品を含む約20点の連作写真をはじめ、インスタレーションも展示。メディア・アーティストとしての落合が切り取る不可逆的な瞬間、視点、またその集合体としての風景が、落合独自のデジタル表現で展開される。

 「写真」という2次元の表現方法は、どこまで人々の感性を刺激できるのか。「言葉」「ビジュアル」「メディアアート」ーーそれぞれの表現の間にある質感や物質性に注目する落合の眼差しをたどり、深い洞察を得たい。

落合陽一による写真作品