建築の不可能性に焦点を当てる。安藤忠雄、石上純也、レム・コールハース、ザハ・ハディド+JVらによる未完の建築とは
20世紀以降の国内外のアンビルト(=未完)の建築に焦点を当てた展覧会が、埼玉県立近代美術館で開催される。本展では、そういった建築を「インポッシブル・アーキテクチャー」と称して紹介。建築が持つ不可能性を見つめると同時に可能性の境界を問う。会期は2019年2月2日〜3月24日。
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建築の歴史には、完成に至らなかった素晴らしい構想や、あえて提案段階に留めた刺激的なアイデアが数多く存在している。未来に向けて夢想された建築や、技術的には可能であったにもかかわらず社会的な条件や制度によって実施できなかった建築、実現よりも既存の制度に対して批評精神を打ち出す点に主眼を置いた提案など、いわゆるアンビルト(=未完)の建築には、作者の夢や思考がより直接的に表現されている。
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ウラジミール・タトリン「第三インターナショナル記念塔」(1919) コンピューター・グラフィックス 1998
今回、埼玉県立近代美術館で開催される展覧会では、そういった20世紀以降の国内外のアンビルトの建築が「インポッシブル・アーキテクチャー」と称して紹介。本展における「インポッシブル」という言葉は、たんに建築構想がラディカルで無理難題であるがゆえの「不可能」を意味せず、むしろ不可能を見つめることと同時に可能性の境界を問うことにつなげることを狙うものだ。
「建築の不可能性に焦点を当てることによって、逆説的に建築における極限の可能性や豊穣な潜在力が浮かび上がってくるのではないか」。そういった問いをもとに、安藤忠雄、石上純也、岡本太郎、ザハ・ハディド+JV、ヨナ・フリードマンをはじめとする約40名の建築家および美術家による「インポッシブル・アーキテクチャー」が一堂に集結する本展。鑑賞者は、各作品の図面、 模型、関連資料などを通して、その背景までを読み解きながら、いまだ見ぬ新たな建築のすがたを展望できるだろう。
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