2018.10.20

注目の建築家の大規模個展から80年代日本の美術まで。今週末に見たい3つの展覧会

10月21日までに終了する展覧会と今週始まった展覧会のなかから、とくに注目したい3つをピックアップして紹介。パリを拠点とする建築家の個展から1980年代日本の美術を再考する展覧会まで、この機会をお見逃しなく。

「田根剛|未来の記憶 Archaeology of the Future ― Digging & Building」展示風景より
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今日のアートシーンを 紐解く鍵は80年代にある?「起点としての80年代」(金沢21世紀美術館)

大竹伸朗 家系図 1986-88 セゾン現代美術館蔵

 まず紹介するのは、今週末(21日)に会期終了を迎える「起点としての80年代」。本展は、「サブカルチャー」「インスタレーションという形式」「社会とのかかわり」「オルタナティブ・スペース」「メディア・アート」「美術という制度を相対化する視点」など、今日の美術に直接つながる数々の重要な動向が生まれた1980年代の日本美術に着目する。

 大竹伸朗、岡崎乾二郎、川俣正、中村一美、宮島達男、森村泰昌、横尾忠則らの作品を通して80年代のアートシーンを追体験しながら、日本を代表する作家たちの作品を通覧したい。

会期:2018年7月7日〜10月21日
会場:金沢21世紀美術館
住所:石川県金沢市広坂1-2-1
電話番号:076-220-2800
開館時間:10:00〜18:00(金土〜20:00)
休館日:月料金:一般 1000円 / 大学生 800円 / 小中高生 400円 / 65歳以上 800円

 

近代美術の名品が勢ぞろい。「フィリップス・コレクション展」(三菱一号館美術館)​

会場風景

 アメリカでもっとも優れた私立美術館のひとつとして知られているワシントンD.C.のフィリップス・コレクション。その中核をなす作品が集まる展覧会「フィリップス・コレクション展」が10月17日にスタートした。

 本展で展示されるのは、ドラクロワ、クールベ、マネ、ドガ、セザンヌ、モネ、ゴーギャン、ボナール、クレー、ピカソ、ブラックなど、日本でも絶大な人気を誇るアーティストたちの名品だ。

 また、こうした展覧会はテーマごとに会場が構成されていることが多いが、本展では、フィリップスが購入(収蔵)した順に作品を展示。そのユニークな見せ方にも注目したい。

会期:2018年10月17日〜2019年2月11日
会場:三菱一号館美術館
住所:東京都千代田区丸の内2-6-2
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00~18:00(祝日を除く金、第2水、2月4日~8日 〜21:00)
休館日:月(祝日の場合、2月4日、トークフリーデーの10月29日、11月26日、1月28日は開館)
料金:一般 1700円 / 高校・大学生  1000円 / 小学・中学生 500円

 

注目の建築家、初の大規模個展。「田根剛|未来の記憶 Archaeology of the Future ― Digging & Building」(東京オペラシティ アートギャラリー)

会場風景

 パリを拠点に活動する注目の建築家・田根剛の大規模な個展「田根剛|未来の記憶 Archaeology of the Future ― Digging & Building」が、10月19日にスタートした。

 田根にとっての美術館初個展となる本展では、場所をめぐる「記憶」を掘り下げ、飛躍させる手法によって生み出された「エストニア国立博物館」「古墳スタジアム」など、田根の代表作から最新プロジェクトまでを大型の模型や映像で体感的に展示する。

 なお本展は、東京・乃木坂のTOTOギャラリー・間で行われる「未来の記憶 Search & Research」との同時開催展。いずれも「未来の記憶」をテーマに、田根の創造と探求に迫ろうというものだ。

会期:2018年10月19日〜12月24日
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2
電話番号:03-5777-8600
開館時間:11:00〜19:00(金土〜20:00)
休館日:月(12月24日は開館)
料金:一般 1200円 / 大学・高校生 800円 / 中学生以下無料