水、石、茅、灰などが織りなす
「竜宮」とは? 前田征紀の個展がタカ・イシイギャラリーで開催

自身の経験を主体とした写真、立体、絵画などを通して精神的な空間を表現する前田征紀による個展「溌墨智異竜宮山水図」がタカ・イシイギャラリーで開催となる。新作インスタレーション4点が発表される本展の会期は6月30日〜7月28日。

前田征紀 溌墨智異竜宮山水図 2018 © Yukinori Maeda

 前田征紀は1971年生まれ。衣服や美術作品、書籍など幅広いジャンルで表現活動を展開。現在は、京都北部の里山にある草葺屑屋(くさぶきくずや)を拠点に、写真、立体、絵画などを通して、自身の経験した事象に基づく精神的な空間を表現している。

 これまで参加した主な展覧会に「Space for Your Future」(東京都現代美術館、2007年)、「ヨコハマトリエンナーレ 2011 OUR MAGIC HOUR―世界はどこまで知ることができるか?」(横浜美術館、2011年)などがある。

 本展タイトルにある「竜宮」とは、龍神が住む想像上の宮殿を意味するとともに、前田が「この世とあの世のあわいのようなところ」と感じるという、自身の住居・アトリエの名称でもある。

 今回の個展にあたり、前田は竜宮や京都の山里の水、水晶まじりの石、屋根の茅、囲炉裏の灰などを用いた新作インスタレーション4点を発表する。

 出品作を《溌墨智異竜宮山水図》《溌墨竜宮瀧図》《溌墨水囲炉裏図》などと命名とした本展で、作家は新たな「波動の光景」を現出させる試みを行うという。作品を通して、古代へと通じる思想の片鱗を感じることができるだろう。

編集部

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