現代美術家・杉本博司の作品とともに天正少年使節の足跡をたどる展覧会「クアトロ・ラガッツィ 桃山の夢とまぼろし ―杉本博司と天正少年使節が見たヨーロッパ」が長崎県美術館で開催される。
本展は、ニューヨークのジャパン・ソサエティーで開催された展覧会「Hiroshi Sugimoto: Gates of Paradise」(2017)をもとに再構成したもの。今年秋には静岡・熱海のMOA美術館のリニューアルを記念した特別展として開催され、注目を集めた(~11月4日)。
その長崎版である本展では、400年前に九州からヨーロッパに渡った4名の天正少年使節が見た風景を題材とした「クアトロ・ラガッツィ」シリーズや、代表作のひとつ「海景」シリーズを含む、杉本による天正少年使節関連の近作群を、天正少年使節に関する貴重な史料や同時代の南蛮美術、キリシタン美術とともに展観することができる。
杉本の天正少年使節への関心は、15年に杉本がイタリア・ヴィチェンツァのオリンピコ劇場を訪れた際に天正少年使節が描かれた16世紀末の壁画と出会ったことから始まる。作品を通じて、杉本の天正少年使節に対する眼差しをたどりたい。