2018.10.1

新潟から「一石を投じる」。堀川紀夫の個展が移転後のMISA SHIN GALLERYで開催中

新潟を拠点に活動し、GUNなどの活動でも知られる堀川紀夫の個展「Not a Stone’s Throw」が東京・南麻布に移転したMISA SHIN GALLERYで開催中。本展は、同ギャラリー移転後初の展覧会となる。会期は11月10日まで。

Horikawa Michio The Shinano River Plan 11 (Documentary photograph of stone received by Maeyama Tadashi) 1969
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 堀川紀夫は1946年新潟県中頸城郡(現・上越市)生まれ。67年に、前山忠、市橋哲夫らをリーダーとする現代美術グループ「新潟現代芸術家集団GUN(Group Ultra Niigata)」の結成に参加。新潟県内を拠点にパフォーマンスや制作活動を行ってきた。

 69年、堀川はアポロ11号の月面着陸と月の石の採取に着想を得た作品を制作。その内容は、11号にちなんで信濃川で採取した「地球の石」11個を中原佑介、松澤宥、高松次郎ら美術関係者11人に郵送するというもの。堀川はその後も反戦の意思表示としてリチャード・ニクソンや佐藤栄作に石を送るなど、メールアートの制作を続けた。

GUN Event to Change the Image of Snow (Documentary Photograph of performance art)
1970/2009 Inkjet print © Hanaga Mitsutoshi

 70年には、GUNとして信濃川河川敷の大雪原に赤、青、黄、緑の顔料を撒き散らして巨大な抽象画を描く「雪のイメージを変えるイベント」を実現。堀川が噴射器を背負って雪に挑む様子は、羽永利光、磯俊一によって撮影された。

 本展では、堀川の主要作品である石のメールアートを紹介するとともに、それに関わるデータ(送付先や重量、郵便局の領収書など)を公開。また、GUNの「雪のイメージを変えるイベント」のポートフォリオや、イベントで使い残した顔料から堀川が制作したピグメントの彫刻なども展示される。