シュシ・スライマンは1973年マレーシア生まれ。マレー系と中国系の血を引くスライマンは、東南アジアの歴史、祖国マレーシアの文化や自身の記憶、アイデンティティを大きなテーマとし、その土地特有の樹木や土、水などの自然物を用いてドローイング、コラージュ、インスタレーションやパフォーマンスなどの多岐にわたる作品を発表してきた。
これまで参加した展覧会に「エモーショナル・ドローイング」(東京国立近代美術館、京都国立近代美術館)、ヨコハマトリエンナーレ2017「島と星座とガラパゴス」(横浜美術館ほか、2017年)や、「サンシャワー」(森美術館・国立新美術館、2017年)などがある。
また2013年より広島県尾道市のアートイベント「OPEN STUDIO / ON AIR」に参加。廃墟と化した一軒の家を自身の作品として再生するプロジェクトを行っている。
本展では、ヨコハマトリエンナーレ2017にて発表された、作家が独自に創造した神話にもとづく、横浜の土や水を用いて描かれたシリーズに加え、フランスのヴェルサイユ宮殿がモチーフである「ヴェルサイユシリーズ」などを展示。
人間と自然、アートとの分かちがたい複雑な関係性を示す、神秘的な世界を見ることができる。