吉増剛造は1939年東京生まれ。慶應義塾大学文学部在学中より詩作を始め、1970年に『黄金詩篇』(思潮社)で第一回高見順賞を受賞。以降、数多くの文学賞を受賞し、日本の現代詩をリードする存在として活動してきた。2016年には東京国立近代美術館で大規模個展「声ノマ 全身詩人、吉増剛造展」が開催されたことは記憶に新しい。
1980年代以降は、沖縄や宮古、奄美を頻繁に訪れ作品を制作してきた吉増。「涯テノ詩聲」と題された本展では、その半世紀以上におよぶ活動の中から、『黄金詩篇』をはじめとする各時代の代表的な詩集を柱に、詩篇や写真をはじめとする作品群を紹介。またこれに加え、赤瀬川原平、芥川龍之介、荒木経惟、瀧口修造、中平卓馬、奈良原一高といった総勢28名の作品や資料も展示。吉増剛造を多角的にとらえ、その全容を紐解いていく。