フィリップ・ドゥクフレはパリ出身の振付家・演出家。1983年に自身のダンス・カンパニーDCAを設立し、89年のフランス革命200周年祭では、シャンゼリゼ大通りでの記念パレードのために『ラ・ダンス・デ・サボ』を振付。92年にアルベールビル冬季オリンピック開・閉会式の演出を31歳の若さで手がけたことが大きな転機となった。クリスチャン・ディオールや、エール・フランスをはじめとした企業のCM映像も手がけてきたほか、シルク・ドゥ・ソレイユのショーを演出、振付するなど、その活動は多岐にわたる。
今回、彩の国さいたま芸術劇場で上演される『新作短編集(2017)』は、不可思議な架空の部族ダンスやトリッキーな影絵のデュエット、空中パフォーマンスが、パラパラ漫画のように次から次へと展開するもの。なかには、坂東玉三郎の歌舞伎や、葛飾北斎の浮世絵、現代日本の街の情景からインスピレーションを得て創作した小品もあるという。
日本文化に対するオマージュを含む、ドゥクフレの独特の世界を楽しみたい。