彫刻、絵画、建築の各分野で傑作を生み出し、「神のごとき」と称されたミケランジェロ・ブオナローティ(1475〜1564)。今年6月、世界で約40点しか現存しないミケランジェロの大理石彫刻のうちのひとつ《ダヴィデ=アポロ》が、初めて日本にやってくる。
この《ダヴィデ=アポロ》は、その主題がダヴィデなのかアポロなのか、また未完か完成かなど、いまだ多くの謎に包まれた作品。古代ギリシャ彫刻の古典的なポーズであるコントラポストを基本としながらも、身体全体が螺旋を描くように大胆にねじれ、ミケランジェロが昇華させた独自の美が表現されている。
本展ではそのほか、ミケランジェロに影響を与えた古代ギリシャ・ローマ作品や、ミケランジェロから影響を受けたルネサンスの作品約50点を展示。大理石およびブロンズ彫刻、壁画、油彩、素描、陶器など多様な作品を「幼少期から青年期の男性表現」「アスリートと戦士」「神々と英雄」などの切り口で紹介し、ミケランジェロや当時の芸術家たちがつくりあげた理想の身体美の表現に迫る。