なだらかな丘陵地にある岡崎市美術博物館は、岡崎の歴史から現代美術まで、「心」を伝える美術品・博物資料を幅広く所蔵している。空や木々など風景を取り込んだガラス張りの建物は、建築家・栗生明(くりゅう・あきら)が設計。入口ではマリーナ・アブラモヴィッチの《人間と精神のための椅子》が出迎える。眺めのいいレストランやミュージアムショップも人気が高い。
キスリングは、100年前のパリで一世を風靡した画家。キュビスムやフォービスムなど新しい絵画運動にふれ、同時代の芸術家たちと交流しつつも独自のスタイルを貫いた。艶やかな裸婦や優美な花々など、華麗な色彩でありながら哀感漂う作品は人気を博し、またその人柄から多くの人に慕われたという。本展では初期から晩年までの作品67点を展示。古典を徹底的に習得し、伝統を継承しながらも新たな表現を築いたその軌跡を概観できる展覧会だ。