新型コロナウイルスによって、芸術文化活動が大きな影響をうけるなか、地方自治体はそれぞれ独自の文化支援事業に乗り出している。現時点で公開されている情報をまとめた。情報は随時更新予定。
東京都:アートにエールを!東京プロジェクト
東京都は、芸術文化活動支援事業として「アートにエールを!東京プロジェクト」を展開。プロとして芸術文化活動に携わるアーティストから動画作品を募集し、専用サイトで配信するというもの。その「出演料相当」として、ひとり当たり10万円を支払う。
募集人数は4000人程度で、応募期間は個人登録が5月15日~5月31日。 企画応募は5月20日~6月12日。審査には外部の有識者等が加わる。要項はこちら。
横浜市:⽂化芸術に携わる団体・事業者に対する⽀援
横浜市は5743億円(事業規模では7694億円)の補正予算において、「新型コロナウイルス感染症 くらし・経済対策」を策定し、「⽂化芸術に携わる団体・事業者に対する⽀援」を実施する。
支援内容は、「市内のアーティスト等の⽂化芸術活動緊急⽀援事業(2億1500万円)」「バーチャル版芸術フェスティバル事業(9000万円)」「アーティスト・クリエーター等へのワンストップ相談対応事業(1000万円)」の3つ。「市内のアーティスト等の⽂化芸術活動緊急⽀援事業」の助成額は30万円〜70万円で、想定件数は550件。 「バーチャル版芸術フェスティバル事業」では10〜20公演を予定している。
長野県:頑張るアーティスト応援事業
長野県は「頑張るアーティスト応援事業」として1230万円を投入。インターネット上で鑑賞可能な作品の「創作費」として支援を行う。
採択件数は30件程度で、1件あたりの補助金額は最大50万円を予定。募集は5月上旬から中旬にかけて行われる。
金沢市:芸術文化振興緊急奨励事業費
金沢市は令和2年度4月の補正予算で、文化芸術支援のために「芸術文化振興緊急奨励事業費」として1億3000万円を計上。インターネットを活用した実演の配信やホームページの作成など、芸術文化事業の発信強化に向けた取り組みに対して奨励金を交付する。
対象となるのは「石川県芸術文化協会の加盟団体及び構成団体」と「芸術文化活動を生業としている実演家グループ」。交付限度額は、前者が1団体あたり50万円、後者が1グループあたり10万円としている。申込受付期間は5月11日~7月31日。要項はこちらから確認できる。
また、金沢が擁する茶屋街に根づいた芸妓文化への支援のため、「芸妓文化継承緊急奨励事業費」として1000万円を計上。金沢芸妓の活動継続を支援するため、奨励金として芸妓1人あたり24万円を支給する。
愛知県:愛知県文化芸術活動応援金の創設など
愛知県は、地方自治体のなかで最大規模となる6億円で「愛知県文化芸術活動応援金の創設」「文化芸術活動緊急支援事業の実施」「文化活動事業費補助金」を実施。
5億円を投じる「愛知県文化芸術活動応援金の創設」では個人に10万円、法人に20万円を交付する。また「文化芸術活動緊急支援事業の実施」では、県内文化施設の所蔵作品等を題材とした映像作品の制作をアーティストに委託。ウェブサイトを通したオンライン配信を実施することで対価を支払う仕組みを構築する。
京都府:京都府文化活動継続支援補助金
京都府は京都府文化活動継続支援補助金の募集を開始。また文化支援に特化した相談窓口も開設した。
京都府文化活動継続支援補助金は、新型コロナウイルスによって文化活動を自粛・縮小せざるを得ない状況に置かれているアーティストやクリエイターを支援するもの。 募集期間は4月30日〜7月15日で、その後、第2期(〜10月15)、第3期(〜2021年1月15日)を予定。4月1日から10月31日までの期間に企画・制作・実施される取り組みを対象に(公演等の実施を伴う事業については21年1月31日までに実施された取り組み)、最大20万円を補助する(補助対象経費から市町村等の補助金を減じた額の3分の2以内)。要項はこちら。
また京都市は、1000万円を投じて文化芸術関係者相談窓口を開設している。
京都市:文化芸術活動緊急奨励金
京都市は文化芸術活動緊急奨励金を創設。この奨励金は、補正予算のうち5000万円を充てて実施されるもので、現在の情勢において実施できる文化芸術活動(企画・制作・実施・リサーチ等)を募集し、審査のうえ奨励金を交付。京都市に居住または活動拠点を置く個人・グループを対象に、150〜200件程度を奨励し、1件につき30万円を上限に活動支援を行う。応募期間は5月7日〜5月17日。要項はこちら。
鳥取県:アートの灯を守る!とっとりアート支援事業補助金
鳥取県は文化芸術の灯を守るとともに、文化芸術の鑑賞機会を広く県民に提供することを目的として、文化芸術団体や芸術家、及びライブハウスやギャラリー等の施設が、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため無観客で行う公演・展示の映像配信を支援する「アートの灯を守る!とっとりアート支援事業補助金」の募集を開始した。
事業内容は、「機材賃借型」(県内の文化芸術団体等が無観客公演等を行い機材賃借等により映像配信を行うこと)、「機材導入型」(県内のライブハウスやギャラリー等の施設等が無観客公演等を行い、映像配信をするために必要な機材等を導入し、その機材を使用して令和2年度中に県民に広く公開した形での映像配信を3回以上行うこと)のふたつ。
補助金額の上限は50万円。募集期間は「機材賃借型」が4月27日〜令和3年2月26日、「機材導入型」が4月27日〜5月20日。要項はこちら。
福岡市:緊急事態宣言に伴う事業継続に向けた文化・エンターテインメント事業者への支援
福岡市は、市内の文化・エンターテインメント施設(ライブハウスや劇場など)に対し、無観客での映像配信設備等にかかる経費として50万円を上限(対象経費の5分の4)に支援を行う。対象は令和2年4月7日から7月31日の間に支出した、もしくは支出予定の経費。申込期間は5月1日〜6月30日。要項はこちら。