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新型コロナウイルスで芸大・美大の学費はどうなる? 学生からは減額を求める声

新型コロナウイルスの影響により、多くの大学でオンライン授業などが導入されている。とくに制作に必要な場所や施設を使うことができない芸大・美大の学生からも不満の声が相次ぎ、施設使用料の減免を求めるための署名活動も広まっている。

東北芸術工科大学 出典=ウィキメディア・コモンズ 野田晶子 / CC BY-SA (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、全国の大学で構内立ち入り禁止やオンライン授業の導入といった対策が取られている。そうした状況を受けて学生からは学費の減免を求める声が広がり、一部の大学では給付金の支給などが決定。例えば早稲田大学では、総額5億円の学生緊急支援が行われるという。

 芸大・美大の学生も、新型コロナウイルスによる大きな影響を受けている。他大学と同じくオンライン授業が導入されるところがほとんどだが、実技系の授業を通常通り行うことは難しい。学生は制作や研究に必要不可欠な施設・設備を利用することができず、対面での指導も受けられない状況だ。

 そんななか学費の一部返還を決定したのが、京都芸術大学(旧・京都造形芸術大学)と東北芸術工科大学だ。

京都芸術大学のウェブサイトより

 京都芸術大学は5月6日まで学内への入構を禁止し、前期はオンライン授業を実施。4月23日には、就学支援施策として施設設備費の77パーセントを返金すると発表した。額は学科により異なるが、4~5月の2ヶ月分で1万4000円~4万6000円が返金される。

 また東北芸術工科大学も「県外出身学生の在籍比率が70%を超え、多くの教員が首都圏から遠距離通勤している」状況を踏まえ、6月末までをめどにオンライン授業を実施。そして施設使用料に相当する額を「在宅学修支援金」として返金することを決定した。返金額は4~6月の3ヶ月分で3万300円~3万2400円。

東北芸術工科大学のウェブサイトより

 いっぽう大学以外では、奨学金事業を行う日本学生支援機構が、新型コロナウイルスの影響で家計が急変した学生への支援や、減収・失業・内定取り消し等で奨学金の返還が困難となった場合の減額返還・返還期限猶予を行っている。

 しかし他の芸大・美大では、いまだ措置が決定していないところが大多数。こうした状況下では大学の施設・設備が利用できないだけでなく、アルバイト収入の減少や、オンライン授業のための環境整備が必要となるなど、多くの学生の生活は圧迫されるいっぽうだ。学生からは不満の声が上がり、学費の減免や施設利用料の返還を求める署名運動が行われている。

 現時点では、武蔵野美術大学多摩美術大学女子美術大学東京造形大学東京藝術大学(学生のみ)、横浜美術大学秋田公立美術大学名古屋造形大学大阪芸術大学神戸芸術工科大学の学生が、change.orgなどで署名運動を実施中。このほかにもchange.orgでは、国による一律学費半額と大学などへの予算措置を求めるアクションが行われている。

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