スイスを拠点に世界各国で展開しているメガギャラリー・ハウザー&ワースの香港スペースでは、アメリカのアーティスト、ロニ・ホーンの個展が11月27日に開幕した。
1955年にニューヨークで生まれたホーンは、現在ニューヨークとアイスランドのレイキャビクを拠点に活動している。2009年11月には、ホーンの大規模な回顧展「ロニ・ホーンAKAロニ・ホーン」が、テート・モダン(ロンドン)で開催、その後ラムベール・コレクション(フランス、2009)やホイットニー美術館(アメリカ、2009)、ボストン現代美術館(アメリカ、2010)へと巡回した。
ホーンの中華圏での初個展となる本展では、ホーンが1983年から2018年の間に制作した絵画や写真、インスタレーション、彫刻など30点以上の作品が集結し、学際的なアート実践を紹介する。
長年、アイデンティティや意義、知覚の変容などの概念に関心を抱き続けているホーン。これらの概念は、様々な媒体を介して作品化され、本展の主題を構成している。
本展では、床から天井まで広がる窓から射し込む自然光が、作品と会話するような環境がつくられている。自然光は本展のひとつの要素となり、作品の色や人が作品に対する感覚などに微妙な変化を引き起こす。
入り口には、水晶体を介して青い容器に水があるように見える彫刻作品《Untitled,(“There is perfect conviction in everything, as if the objects were better informed about themselves and the position they took up in the world. Here you don’t wonder. You don’t have a hunch. You know.”)》が一際存在感を放つ。加えて、「Dickinson」シリーズの彫刻作品や「Hack Wit」シリーズの絵画作品など多彩な作品が展示されている。
「私は、物体、物質、または作品の最終的な産物を考えません。私が熱望しているのはつねに体験であり、つまり観客や個人は作品の価値に不可欠なのです」と、ホーンが作品について語るように、自然光の中で本展をゆっくり楽しみたい。