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2019.4.10

平成から令和へ。この春に見たい、皇室関連の展覧会をピックアップ

いよいよ5月1日に迫った新天皇の即位と、「令和」への改元。そこで、現在開催されている皇室関連の展覧会をピックアップして紹介する。

鶴亀形ボンボニエール 明治天皇大婚25年祝典 1894年3月9日 個人蔵 ※「華ひらく皇室文化―明治宮廷を彩る技と美―」で展示
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平成の皇室ゆかりの優品が勢揃い。「両陛下と文化交流―日本美を伝える―」(東京国立博物館

展示風景より、左から《赤縮緬地吉祥文様刺繍振袖》(1935)、《黒紅綸子地落瀧津文様振袖》(1938)
いずれも宮内庁侍従職所管 ※展示期間は3月31日まで

 天皇陛下の在位30年を記念し、宮内庁が所管する皇室ゆかりの作品で両陛下が担われた文化交流を紹介する「両陛下と文化交流―日本美を伝える―」展が開催されている。

 本展の大きな見どころは、天皇陛下御即位に際して挙行された「大嘗祭」に用いられた《悠紀(ゆき)・主基(すき)地方風俗歌屛風》(1990)。東山魁夷が描いた《悠紀地方風俗歌屛風》と高山辰雄が描いた《主基地方風俗歌屛風》の二双からなり、現在は後者が展示中だ。

 また本展では、御養蚕の守護神として高村光雲が制作した《養蚕天女》など、歴代皇后が引き継ぐ「養蚕」にまつわる作品も出展。そのほかにも、天皇陛下がご幼少時にお召しになった着物などを見ることができる。

会期:2019年3月5日~4月29日
会場:東京国立博物館 本館特別4・5室
住所:東京都台東区上野公園13-9
電話番号:03-5777-8600
開館時間:9:30~17:00(金土〜21:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし4月29日は開館)
料金:一般 1100円 / 大学生 700円 / 高校生 400円 / 中学生以下無料

明治の華やかな宮廷文化を紹介。「華ひらく皇室文化―明治宮廷を彩る技と美―」(泉屋博古館分館、学習院大学史料館)

中礼服 北白川宮妃房子着用 明治末期 霞会館蔵 ※泉屋博古館分館で展示

 明治150年を記念し、明治時代(1868~1912)の華やかな宮廷文化を紹介する「華ひらく皇室文化―明治宮廷を彩る技と美―」展は、現在東京に巡回中。

 諸外国との外交のために皇室では洋装を取り入れ、洋食で外国使臣をもてなした明治時代。その舞台は延遼館から鹿鳴館、そして明治宮殿へと移り変わっていく。そのなかで明治皇室は伝統文化の保護を提唱し、帝室(皇室)が技芸(美術)の制作活動を奨励する「帝室技芸員」制度が誕生した。

 本展では、日本文化の象徴として称賛された帝室技芸員たちによる作品とともに、宮中晩餐会の食器やドレス、ボンボニエール(菓子器)を展示。明治時代の美術品と、華やかな宮廷文化を紹介する。

泉屋博古館分館
会期:2019年3月16日~4月14日(前期)、4月17日~5月10日(後期)
会場:住友コレクション 泉屋博古館分館
住所:東京都港区六本木1-5-1
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし4月29日、5月6日は開館)、4月30日、5月7日、4月16日
料金:一般 800円 / 高校・大学生 600円 / 中学生以下無料 

学習院大学史料館
会期:2019年3月20日~5月18日
会場:学習院大学史料館展示室(学習院大学 北2号館1階)
住所:東京都豊島区目白1-5-1
電話番号:03-3986-0221
開館時間:10:00~17:00
休館日:日(ただし4月14日は開館)、祝、5月1日
料金:無料 

江戸幕府と天皇・朝廷の関係とは? 「江戸時代の天皇」(国立公文書館)

桜町殿行幸図

 東京・竹橋の国立公文書館では、江戸時代の幕府と天皇・朝廷、そして民衆との関係や、改元について紹介する「江戸時代の天皇」展が開催中。

 本展で一番の見どころは、いまから約200年前、江戸時代最後に譲位した「光格天皇」の行幸を描いた45メートルに及ぶ《桜町殿行幸図》。天皇の乗り物である「鳳輦(ほうれん)」や行列見物の人々が生き生きと描かれた、貴重な絵巻だ。

 そのほかにも本展では、度々行われた江戸時代の改元や、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康などの天下人の登場、それに続く江戸幕府による支配のなかで、天皇・朝廷がどのように渡り合い関係を構築していったのかを紹介。また「令和」の発表に合わせて、その典拠となった『万葉集』そして「平成の書」を展示する。

会期:2019年4月6日〜5月12日
会場:国立公文書館 本館
住所:東京都千代田区北の丸公園3-2
電話番号:03-3214-0621
開館時間:9:45~17:30(祝日を除く木金〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:無料 

 このほかにも、両陛下の肖像画を見ることのできる「御製・御歌でたどる両陛下の30年」(三の丸尚蔵館、4月21日まで)、「国民とともに歩まれた平成の30年」(日本橋髙島屋S.C.本館8階ホール、4月21日まで)、「ようこそ、ボンボニエールの世界へ―皇室からのかわいい贈りもの―」(ミキモト銀座4丁目本店、5月10日まで)、「宮廷の服飾」(共立女子大学博物館、5月20日まで)など、東京の各地で皇室に関連した展覧会が開催中。平成の終わりに、美術館や博物館へ足を運んでみてはいかがだろうか。