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バンクシーとは何者なのか? チェックすべきバンクシー映画3選

世界各地にグラフィティを残す覆面アーティスト、バンクシー。その名をさらに広めることになったのが2018年10月5日、ロンドンのサザビーズに登場し、バンクシー自ら額縁に仕込んだシュレッダーで切り刻まれた《Girl With Balloon》を発端とする一連の出来事だった。こうした“事件”を通して、つねに世間を騒がせてきたバンクシーとはいったい何者なのか? その姿に迫る3本の映画を紹介する。

 

映画『バンクシーを盗んだ男』より © MARCO PROSERPIO 2017

バンクシー自ら監督を務めた問題作。『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』

 まず紹介するのは、バンクシーが監督を務めた『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』だ。登場人物は、ビデオ撮影が趣味の男、ティエリー・グエッタ。ただの一般市民であったグエッタが様々なグラフィティ・アーティストと出会い、素顔を撮影するうちに、念願だったバンクシーとの接触が叶い、やがてバンクシーの密着取材をすることに。いっぽう、アートの知識・技術がないティエリーはやがて、バンクシーによってアーティスト「ミスター・ブレインウォッシュ(MBW)」としての役割を与えられ、ついには個展を開くまでに至る。これはドキュメンタリーか? フィクションか? 予備知識を入れることなく見るのをおすすめしたい一作だ。

映画『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』(2010)
監督:バンクシー
出演:ティエリー・グエッタ a.k.a. ミスター・ブレインウォッシュ、スペース・インベーダー、シェパード・フェアリー、ゼウス、バンクシーほか
上映時間:90分
Amazon Primeで配信中

 

バンクシーの「仕掛け」に熱狂する人々の姿。『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』

『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』より

 『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』は、2013年にバンクシーが仕掛けたとある出来事が発端となったドキュメンタリー映画だ。13年の10月1日、スプレー缶を手にした少年の絵がニューヨークの路上に突如出現。それから1カ月間、バンクシーはニューヨークに毎日1点ずつの作品を残し、具体的な場所を隠したまま公式サイトに投稿。その画像を見た人々はSNSを駆使し、該当作品を探し出す「バンクシー・ハント」に明け暮れた。本作には「都市や屋外、公共の場所こそアートが存在すべき場所」「アートは市民とともにあるべき」という持論を展開するバンクシーの仕掛けにより、人々が熱狂した1カ月が収められている。こうしてゲリラ的に作品をつくり続けるバンクシーの本当の目的はどこにあるのか? 本作からは、バンクシーの本当の「狙い」が見えてくるかもしれない。

映画『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』(2014)
監督:クリス・モーカーベル
上映時間:81分

 

ストリート、マーケット、政治まで、作品が照らし出す諸問題とは。『バンクシーを盗んだ男』

映画『バンクシーを盗んだ男』より © MARCO PROSERPIO 2017

 超高額で取引されるバンクシーの作品。それらが人々に及ぼす影響力に肉迫したドキュメンタリー映画が『バンクシーを盗んだ男』だ。発端は、紛争地区のパレスチナ・ヨルダン西岸地区のベツレヘムにあり、パレスチナとイスラエルを分断する、高さ8メートル、全長450キロを超える巨大な壁に描かれたバンクシーの《ロバと兵士》。この絵は、パレスチナの住民たちから「差別的」と反感を買い、切り取られ、オークションにかけられることになる。本作には、バンクシーの作品がストリート・アート、法律、政治、マーケットを取り巻く諸問題を浮き彫りにしていくさまが映し出されている。

映画『バンクシーを盗んだ男』(2017)
監督:マルコ・プロゼルピオ
上映時間:93分

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